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2004/08/09

五輪代表と税金

サッカー「日本代表」が、無事アジアカップを制し、
次は、数多くの競技の「日本代表」たちが、アテネオリンピックに挑む。

さて、4年ごとに繰り返される狂騒曲を、私は苦々しく思う。
それは、日本全国がオリンピック一色に染まるのが鬱陶しい、
ということではなく、この時しかスポーツ、それも単に結果(メダルが
取れたか否か)だけにしか反応しないような人たちが、
ことさら選手たちにプレッシャーをかけることに、だ。

中には、期待されていてメダルを取れなかった選手、予選落ちした選手
たちを、「税金ドロボー」呼ばわりする人たちすらいる。
例えば、こんなことを書いている人もいる。

好きなように競技がしたいのなら、強化選手の指定を返上して、自費で練習し、自費で遠征し、個人でオリンピックに参加するしかないだろう。くどいようだが国の文教予算、即ち僕たちの税金から彼らの強化費が支出されているのだ

しかし、国費国費、税金税金と言うが、どの程度の国費・税金なのだろうか。
totoの不振によって、いまや風前の灯となってしまった、スポーツ振興基金に
よるスポーツ団体助成だが、その基金としての政府出資は250億円とのこと。
また、JOCの財政状況はこんな感じのようです。
ううむ、この内、税金からの支出って、交付金と補助金ですよね。
え?合計20億程度?
また、日本のお家芸、代表選手が負けたら非国民のように言われる
柔道の競技団体、全柔連の財政について、やや古いデータですが、
このように分析している方もいらっしゃいますが、ううむ、交付金2億です。
国民一人当たり、2円弱。
2円出したからって、非国民呼ばわりする権利が与えられる訳ですか。

「貧乏」競技団体で、代表となった選手たちは、オリンピックに行くのに、
渡航費の自己負担をしているくらいなのです。
(このリンクは、一政党の議員のサイトなので、少し嫌なのだが)
そうそう、日本のお家芸、男子体操の代表であった池谷くんも
渡航費自己負担分として7万5千円払ったと言っていたな。
だいたい、多くの競技団体の収入に対して、団体に所属するチーム、
選手の登録料は、結構のシェアを占めたりする訳です。

つまり、選手たちは、税金におんぶに抱っこしてもらって、
大名旅行をしている訳ではないのだ。

だいたい、子供の頃から努力を積み重ねて、ある競技における、
日本でもっとも優れた選手となった人たちを、
世界最高の大会に心置きなく送り出してあげることができずして、
なんのための経済大国か。

自民党によると、JOCの事業として15億円の予算で、メダル倍増が
目指せるとのこと。
もちろん、メダルば倍になるということが大事なのではない。
安心してメダルを目指せるスポーツ環境を、次の世代の子供たちに
たったの15億円くらい安いモンではないか。

四国に3本橋を架けることに比べると。
天下りくそ役人に高い退職金払うのに比べると。
一日2便しか飛ばない飛行場を全国につくるのに比べると。

子供たちの未来の夢を育むための予算は惜しくて、
土木工事やら地元に落ちる金の方が大事というのなら、
オリンピックでの日本代表の成績に、過剰なプレッシャーを
与えるのはやめるべきだ。

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