10月3日、ジョアン・ジルベルト@フェスティバルホール
2週続けて、おもいっきり開演が押したコンサート、ライブに行った。
もっとも、まったく違う種類ではあるが。
ということで、先週だが、10月3日、大阪フェスティバルホールの
ジョアン・ジルベルト。
「ボサ・ノヴァの神様」、「生きる伝説」などなど、その形容は、数知れず。
実は、彼がまだ生存しているとは、私は知らなかった。
というか、生きているかどうか、とか気にせずに、日本で公演が見られるとか
なんて、まったく想像だにせずに、CDを通してのみ触れていただけであった。
そのジョアン・ジルベルトが、昨年、来日公演を果たした。
「奇跡の来日公演」「最初で最後の日本公演」と言われていたが、残念ながら
東京公演しか行われず、チケットも入手できず、「ああ、縁はなかったなぁ」と
思っていたのだが、今年も、奇跡の再来日公演。
しかも、大阪でも公演があると言うことで、なんとか、チケットを入手した。
さて、昨年、開演が押しに押したとか、途中で、沈黙の時間があったとか、
観客側もまったくの静寂であったとか、報道やら口コミでいろいろと
聞かされていた。
そこで、ある程度の覚悟をしていたのだが、それでも、これだけ聴き手として
緊張感を強いられたコンサートは、そうはないことだった。
しかし、それは決して、気分が悪いものではなかったのだが。
さて、ホールに入ると、演劇やバレエ、ライブでいつも見ている
フェスティバルホールのステージとは、まったく違って、何も無い。
ただ、椅子とギター置きとミネラルウォーターのボトルの置かれたサイドテーブルが、
ぽつんと、ステージの真ん中に置かれている。
座席に座って待っていると、開演時間近くに、場内アナウンスが、「アーティストは、
まだ到着しておりません。確認できしだいお伝えいたします」みたいな内容を伝える。
ああ、噂どおりだ、いつ始まるのかなぁ?
そして、「アーティストは会場に向かっております」というアナウンスが入り、
場内大拍手。
そして、「アーティストが到着しました、もうしばらくお待ちください」とのこと。
はい、いつまでも、待ちますよ(^^)。
開演予定の午後3時から、45分押して、場内暗転。
ついに、ジョアン・ジルベルト、登場!
場内、大拍手。
CDで聴いたあの囁くような声と、奏でるギターの音が、フェスティバルホールを
ジョアン・ジルベルトの音世界につくり変えた。
ギター演奏は、ロック的な早弾きのうまさとか、フュージョン系のテクニカルなうまさ、
ということではもちろんないが、その音色自身が、ボーカルと同様なにかこちらに
囁きかけてくるような感じ。
また、そのフレージングやコードも、普段私が聴きなれているフュージョン系や
ロック系、ポップス系とはまったく異なり、しかも、即興の部分が多いのか、
CDの音とも違い、えっ、そんな展開?って感じでありました。
さらに、それに絡むようなボーカル、えっと、70歳を超えているんですよね、
そんな年齢を微塵も感じさせない、艶のある声。
歌うメロディラインは、これまたCDのフレーズやタイミングとは異なり、
即興も即興なのだろうが、
合わさってみると、そこには、もう、CDで聴きなれた楽曲たちの世界が
浮かび上がってくる。
私は、ひとつひとつの楽曲の名前をすべて記憶していないので、セットリストに
することもできませんが……。
途中、お約束になってしまったのか、“瞑想”の時間もあり、「イパネマの娘」の
ないままいったん舞台袖に。
アンコールの拍手に促されて、再登場。
そして、最後の一曲が「イパネマの娘」。
約2時間のライブが終了した。
昨年の感じから、もう少し長いのかな、と思っていたのですが、こんなものでしょうか。
ポップスやロック系の飛び跳ねてというライブに慣れている身としては、こうやって
緊張感を持って「耳を澄ます」という経験は、新鮮で、耳と音楽に対する感覚の
リセットとして、最高のインプットだったと思います。
セットリストや感想を伝えている方を、まとめて紹介してくださっている方が
いらっしゃいますので、めぐってみてください。
あ、ただ、一曲一曲、そのタイミングで拍手をすべきかどうか、ジョアンの“機嫌を
損ねない”ように注意を払ったなぁ。
ううむ、これってのは、どうなんだかなぁ、とは思いますが。
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コメント
はじめまして!TBありがとうございました
私はジョアンは10/2に拝見拝聴!したのですが、
10/3の事を読ませていただいて、
すごく場の雰囲気は同じで、また思い出すことができました。
チョット違うのは、
2日の時は、舞台袖にはいかれずに、椅子から立って、チョット考えて・・・
また座ってアンコール?みたいな感じだったことでしょうか。
確かに拍手の仕方は気を使いましたね(笑)
私だけかと思ったので、嬉しいです。
(私からもTBさせて頂きました。)
投稿: MOK | 2004/10/11 15:18
こんばんは。TBありがとうございました(^^)。
私は10日に行きました。本当に宝物のような時間が過ごせました。また来たら行きたいなぁ。元気で長く活躍してほしいですよね。
投稿: 110 | 2004/10/11 22:10
はじめまして。
トラックバックありがとうございました。
3日のライブの様子も知ることができ、楽しく読ませてもらいました。
たしかに緊張感のある空間でしたが、サウンドはとても
柔らかく、私の座席の周りにはうとうとしている人が何人も
いました。
極上の音楽は人を眠らせます。素晴しいうたた寝だったはずです。
私も耳を澄まして、ボサノバの神様の呼吸を聴けただけでも
うっとり幸せでした。同じ時代に生きられてラッキー。
投稿: mame (trio the P) | 2004/10/12 14:21