先週、Jリーグ2ndステージの天王山とも言える浦和レッズvs横浜Fマリノスの
一戦があった。
で、そこで、不可解なイエローカードが7枚出されるなど、レフェリーに、また
問題があったらしい。
とにかく、サッカーはじめいろいろなスポーツでレフェリーへの批判は多いし、
実際ゲームを見ていて、その判定に疑問な点が多いのも事実である。
たとえば、今年、私がよく行った女子サッカーLリーグ。
育成という意味もあるのだろう、Lだけでなく女子サッカーの公式ゲームには
女子レフェリーの主審を起用している。
しかし、フィジカル面でLリーガーについていくことができず、適切な位置でプレーを
判断できずに、不可解な判定となることがよくある。
さらに、ボディコンタクトへの判定がどうも不安定だという、共通の特徴がある。
その結果、各チームの監督、選手、さらにはサポーターからも不信感をもたれている。
このレフェリー不信の傾向は、Jリーグでも、ラグビーでも同じようである。
一昔、ラグビーでは(サッカーでも?)レフェリーは「神聖」であり、判定は絶対で
抗議は許されない、といった教条主義的な言い方があった。
しかし、最近はようやくレフェリーにも評価が必要であり、問題ある判定を行った
場合は、きちんと批判されるべきだ、という共通認識はできてきた。
だが、それが行き過ぎて、どうにも問題があるような気もする。
ひとつの問題は、ルールをちゃんと知らないくせに批判をする人がいる点だ。
例えば、数シーズン前の国内ラグビーの一シーン。
モールでボールを持ち込んで、押し込むものの、アンプレアブルになった時に
相手方ボールでのスクラムになるたびに、「逆だろ、ボケッ」「マイボールやろ、
アホレフェリー」と大声でわめき続けているおっさんがいた。
そのシーズンの最初におこなわれたルール変更をまったく知らないまま。
(前シーズンまでと、まったく逆になってしまうというルール改正ってのも、
たしかに問題ではあるが)
しかも悪いことに、そいつは、相手方がモールで持ち込んでアンプレアブルになって、
応援している側のマイボールスクラムになった時には「そーやろ、そ-やろ」だって。
ルールも知らないまま、自分の応援しているチームに都合が良い判定のみウエルカム。
こういう人、けっこう多いんですが、こんなんでは、レフェリー批判する資格は、
やっぱりないですよねぇ。
(もちろん、私も、全てのルール及びその運用の全てをちゃんと把握はできていない
だろうし、目の前のプレーを瞬時に判断することは、かなりしんどいよな)
もうひとつの問題は、レフェリーに対しては批判しかない、って点だ。
もちろん、選手や監督に対しても、まずいプレーやまずい采配に対しては、ファンは、
批判するし、ゲーム中にはブーイングする。
しかし、基本的にはファンは声援を送るし、ナイスプレーやナイスゲームに対しては、
ブーイングをはるかに上回るレベルの圧倒的な称賛や歓声をファンは与える。
一方、いくらレフェリーが良いコントロールをしてナイスゲームを演出しても、
その際、称賛されるのは、ナイスプレーした選手たちのみだろう。
また、スタンドからの肉眼では判定が間違って見えても、ビデオで確認したら、実は
もののみごとに正しい判定をしていたという場合も結構ある。
オフサイドなど、ほんとによく見てるなって時、あるぜ。
だが、この際、スタジアムでは「ナイス・レフェリー」「ナイス判定っ!」なんてコールが
かかる訳もなく、おそらく最初目に見えた判定間違いを批判する大ブーイングが
おこったりするわけで、これではブーイングされ損だ。
さらに、非常によい判断でアドバンテージをとっても、「ナイス・アドバンテージ!」
とは絶対に声はかからない。
(オレもかけないなぁ、やっぱり選手にチームに集中しているからなぁ)
ファンの言い分は、プロである選手たちがそれこそ生死をかけて戦っているんだから、
レフェリーのミスは絶対に許せない、ってことなのだろう。
でもそれでは、レフェリーに判定にもゲームコントロールにも完璧という神業を期待
するってことにならないかいなぁ。
レフェリーも選手と同じで、人間なんだからミスもする、そのミスもサッカーや
ラグビーというゲームのうち、くらいに考えないといけないんじゃないのかなぁ。
ま、判定のいかん以上に、レフェリーのヒステリックな態度が許せない、という人も
いると思う。
しかし、その大部分は、レフェリーと言う立場上、自分でもまずいって判定であっても
毅然とふるまっておかなければならないから、とった態度ともいえるでしょう。
もちろん、毅然というよりは、虚勢をはるという風になっている人もいるが。
それは言ってみれば、FWが絶好のパスをシュートミスしても、どんなに内心しまった
と思っても、悪びれず顔色ひとつ変えず次のチャンスを待つ、という自分の立場を
考えてきっちりとふるまっている態度が、「おまえ、悔しくないのかよ」「ミスして
おいて、その淡々さはなんじゃ」と反感を買ってしまうのといっしょちゃうかなぁ。
レフェリーも、サッカーやラグビーといったスポーツの重要な構成要素なのだから、
リスペクトの意識はきちんと持っておかないといかんと思う。
フェアな監督がゲーム後インタビューに「今日はレフェリーのおかげで、気持ち良い
ゲームができた」みたいなコメントを残すことがある。
これにならって、ファンも、レフェリーのよい判定には拍手なり声援なりで応えて
あげる、きちんと評価してあげるということをした上で、レフェリーに批判やブーイ
ングをするべきじゃないんかなぁ。
もちろん、あまりにもコンスタントに技量の低さを露呈してしまうレフェリーは、
下のカテゴリーに行って、鍛えなおすべきというのは絶対の前提として。
きれいごとに聞こえるだろうか。
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