« ああ、また間が空いてしまった | トップページ | 「シャンペン・シャワー」 »

2004/11/19

「もう一度キックオフ」

女の子を主人公にしたサッカーものとしては、「ベッカムに恋して」という
名作映画があった。
あれ見て、サッカーを始めた女の子、世界中にいるんちゃうかなぁ。
そこで、せっかく「なでしこジャパン」で注目が集まっているいま、
日本でも女子サッカーものの作品をつくってくれないかな、と
思っていた。

そこで、発見したのが「もう一度キックオフ」という本。
風野潮=作、真咲ナオ=絵、岩崎書店(文学の泉15)、2004年9月発行
書評=産経新聞

いっしょにサッカーを楽しんでいた兄を事故で失った少女・晴。
しかし、母は、サッカーをしている子供を見ると、兄のことを思い出し
つらいため、晴にサッカーを禁じていた。
しかし、晴はサッカーが好きという気持ちを抑えきれず、母に内緒で
中学のサッカー部に入部しようとする。
だが女子の入部は認められていない。
どうしてもサッカーをやりたい晴が大声で叫んだ瞬間、交通事故で
意識不明となっていたJリーグの友也の魂が、晴の体に乗り移った。
Jリーガーの技を身につけた晴は、みごと入部テストに合格し、
サッカー部に入部。
ひとつの体を共有しながら、サッカー好きの二人の心は、夢に向かって
進む......
ってな話。
迷える魂が他人に乗り移るとか、肉親の死であるとか、それにともなう
兄妹共通の趣味の親による封印であるとか、ある種の典型パターンであり、
オリジナリティとか、質が高いのか、と問われると「ふつ~」としか
答えられない作品ではあります。
しかし、子供向けでありますし、ある種のわかりやすいパターナイズは、
当然の手法でもあります。
それよりも、このタイミングで、こういった女の子のサッカーものを
出してくれたことに感謝です。

分かる人にはわかるであろう、元ガンバ大阪の野見山選手
羽中田さんがモデルの部分も…。

<22日追記>
コメントを頂いた作者の風野潮さんのBlogがこちら

|

« ああ、また間が空いてしまった | トップページ | 「シャンペン・シャワー」 »

コメント

突然の書き込み、失礼いたします。この本を書いた者です。
ネット検索で辿り着きましたが、率直な御感想を読ませていただき、ありがとうございました。
確かに設定・手法的には、やり尽くされたパターンだな、と作者も思っているくらいですので、
もっと酷評も覚悟していたのですが(特にサッカーに詳しい方からの酷評)
予想外に認めていただいていたので少しホッとしています。
この物語を書いたこと・出版したことが、サッカーファンの方、
女子サッカーをされている方・これから始める方々全てにとって、
喜ばしいことだと受け取っていただければいいな…と願っております。
追伸:サッカー観戦歴浅いので現役時代は見ていませんが、
解説者・羽中田さんのファンで御著書も持っております。
わかる人にはわかるだろうな…と思っていました(^^;)

投稿: 風野潮 | 2004/11/20 12:32

あらら、作者の方からコメントを頂いてしまいました。
始めまして、風野さん。

女子サッカーは、北朝鮮戦及びアテネ五輪で、注目こそ
浴びたものの環境はまだまだ。
小学校時代はクラブで男子と一緒にボールを蹴っていても、
中学になったら、女子の入れる部活が無いというのは、
まさしく晴ちゃんといっしょなんですよね。
この環境は、改善されていないんだよな。

テニス少女や、バレー少女みたいに、普通にサッカー少女が
いられる環境になって欲しいものです。
そういうためには、こういったコンテンツ側のサポートってのも
必要なので、風野先生、機会がありましたら、
別設定で女子サッカーもの、チャレンジしてみてください!

投稿: 六甲びと | 2004/11/22 19:06

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「もう一度キックオフ」:

» もう一度キックオフ [潮のつれづれ語り]
このblogを借りる前に、書名で検索していて 「もう一度キックオフ」の感想が掲載されたblogを見つけました。 「子供の本」としての観点からは新聞書評で好意... [続きを読む]

受信: 2004/11/22 19:58

« ああ、また間が空いてしまった | トップページ | 「シャンペン・シャワー」 »