円通寺の借景庭園
円通寺は、私が、京都の中でももっとも好きな
庭園のひとつです。
もともとは柴衣事件で有名な後水尾天皇の離宮。
しかし、この地は、水に恵まれず、大池泉庭園を
造ることができず、結局、今の修学院離宮の場所
に、移転をしました。
しかし、逆に池泉庭園にならなかったおかげ(?)で、
今の名庭園がある。
前面の広大な枯山水庭園、その奥に視線の高さに
そろった生垣と杉木立、その奥の竹林の頭を通して、
霊峰比叡山を借景として眺めることができます。
この庭から眺める比叡山は、その姿、距離感とも
絶妙で、左右に山々を従え、男性的な、力強い、
雄大な姿を見せています。
しかし、鞍馬方面に抜ける幹線道が整備され、
当然そのサイドに中層建築が許可されており、
このままではビルの頭が、竹林の高さを超えて
ニョキニョキあらわれ、この借景を台無しにする
可能性が懸念されている。
現状の比叡山山頂のアンテナや建物も結構
邪魔なのですが、足元まで侵食されるとどう
なるのか。
約400年間守られてきたこの類まれなる借景という
文化遺産を守れない京都市、あるいは日本と言う国は、
ほんとうに情けないと思う。
京都市街地ではないのだ。
岩倉と言う郊外地なのだ。
なぜ、ここまで開発を推進しなければならないのか。
住所)京都市左京区岩倉幡枝町
拝観料)500円
拝観時間)4月~11月=午前10時~午後4時30分
12月~3月=午前10時~午後4時
アクセス)京都市バス「深泥池」バス停下車、徒歩15分
京都バス「円通寺道」バス停下車、徒歩10分
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