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2005/01/28

神戸住吉山手『小寺邸』

先日、紹介した住吉山手住宅地
現存する企業家の豪邸では、『旧乾邸』と並んで、
すばらしい住宅建築である『旧武田邸』。
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その横の坂道を上がっていくと行き当たるのが、
ここ、『小寺邸』。
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大日本紡績の社長であった小寺源吾氏が婿養子と
なった小寺成蔵氏の長男、小寺敬一氏(関西学院
商学部教授)関西で活躍したアメリカ人建築家、
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏に設計を依頼し、
昭和4年に完成した。

ヴォーリズは、家庭常備薬、メンソレータムの販売元、
近江兄弟社の起業者であり、日本国中に千件以上の
建築物を残した。

代表作と言っても、学校建築だけでも、阪神間の関西
学院大学
神戸女学院大学聖和大学、京都に同志社
大学
同志社女子大学、さらに明治学院大学西南学院
西南女学院活水学院など。
大阪心斎橋大丸百貨店に、東京の山の上ホテル、京都
の四条河原町鴨川河畔の東華菜館
住宅では、京都は御所横の下村邸(大丸ビラ)、北白川の
駒井邸 、東京の朝吹邸(東芝高輪クラブ) 、静岡は
マッケンジー邸、そして神戸の室谷邸など。
すざまじい数の建築を残している。

住宅建築としては、この『小寺邸』は代表例ではないか。
スパニッシュミッションスタイルという、米国カリフォルニアの
教会建築様式を日本に取り入れ、赤い瓦、小造りの庇、
白く明るい壁など、軽快かつ華麗な特徴を持つ。

ある意味では、阪神間山手の住宅街の基調イメージを
つくったのが、ヴォーリズの住宅であった。

阪神間夙川の北側の殿山町、雲井町にあった住宅群も、
同様の意匠で、阪神間らしい風景をつくっていたのだが
阪神淡路大震災で、壊滅的なダメージを受けてしまい、
ほとんど残っていないのが残念。

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