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2005/02/04

『唐招提寺展』 上野へ鑑真和上に会いに行け!

東京国立博物館の平成館で、
「金堂平成大修理記念『唐招提寺展』
 国宝 鑑真和上像と盧舎那仏」が
開催
されている。

この展覧会は、「天平の甍」で有名な唐招提寺の
金堂が、ほぼ10年にわたり行われている平成大
修理を記念して開催されているものです。

金堂と御影堂(みえいどう)の堂内を、国立博物館
の館内に再現する、ということをコンセプトに、展示
がなされています。

金堂の方の再現では、あたかも堂内にいるかのご
とく立ち並ぶ柱の中に、唐招提寺の本尊である、
大像・盧舎那仏坐像を中心に、梵天・帝釈天像と
四天王像が展示されています。

盧舎那仏坐像は、千手観音、薬師如来と並んで、
金堂内を圧して鎮座する巨像で、なにしろ天平を
代表する国宝なだけに、本展が寺外初公開とな
るそうです。
そういう意味では、非常に貴重な機会なのですが、
ただ、光背が同時に展示されていないのは疑問
です。

また、金堂を解体修理していますので、その過程
の説明パネルや、修理のために取り外された瓦
(これが、天平時のオリジナルのものから、明治時
代の改修の時まで)などが展示されています。

一方、御影堂再現展示の方では、昭和時代に、
東山魁夷が描いた障壁画のパーツごとに分散は
しているものの全点を展示。
その内部空間を感じていただいた上で、御影堂の
本尊であり、日本肖像彫刻の最高傑作のひとつ、
鑑真和上坐像を拝観することができます。

展覧会としては、空間再現ということをコンセプトに
しているということもあり、過去の東大寺展とか、
高野山展に比べると、少し展示点数が少なく、
ちょっと拍子抜けという感があるかもしれません。

また、私は常に思っているのですが、展覧会で、
仏像を全方向から見れるように展示するというのは
いかがなものか。

基本的には、仏像とは、参拝というスタンスで見られ
ることを前提に造形されているものです。
お堂での参拝という行為は、非常に限られた視点から
仏像を仰ぎ見ることを強制されます。
つまり、ある視角から見たときに、「ありがたい」姿になる
ように、仏師はその造形をコントロールしているのです。
ですから、見るべきでない角度から見られるというのは、
いかがなものか?
例えば、絵画を宙吊りにして、裏面も見せるかっつうたら
違うでしょ。

特に、今回の盧舎那仏坐像、光背もない上に、後ろに
回り込めるようにしているのは、なんなんだか・・・。


ただ、鑑真和上像は、唐招提寺本寺でも、年に3日しか
開帳されないわけで、それが、東京でこれだけの期間、
拝観できるのですから、それだけで行く価値はあるかも
しれません。

会期は、3月6日(日) まで。
開館時間 :9時30分~17時00分
休館日:月曜日(ただし、2月21日、28日は開館)
観覧料金: ( )内は20名以上の団体料金
      一般1400円(1200円)
      大学生・高校生・専門学校生1000円(800円)
      小・中学生無料
アクセス:JR上野駅公園口から徒歩10分

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昼間の青い月さん
弐代目・青い日記帳さん

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コメント

おはようございます。
TBありがとうございました。

普段金堂にまったく入れてもらえないのに
この展覧会に限っては金堂内と同じような
空間に入り込むことができますね。
これはとても貴重というか
有り得ないことですね。

光背は思うに天井高の関係など
色々あって展示不可能なのでしょう。
千手観音もまた然り。


投稿: Tak | 2005/02/05 07:59

こんばんは.
TBありがとうございます.

>仏像とは、参拝というスタンスで見られ
ることを前提に造形されているものです。

なるほど.そうですね.
金堂の再現に重点を置くならば,正座して拝み見るような展示もアリだったかも知れません.

金堂内の配置は模倣しつつ,彫刻としての展示だったかもしれません.

投稿: おけはざま | 2005/02/05 22:45

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