なんと、『ラ・トゥール展』ですよっ!
「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展」
国立西洋美術館
3月8日(火)~5月29日(日)
いよいよ来月に迫った、ラ・トゥール展。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールは、後期マニエリスムの
画風を持つ独特な宮廷画壇を持っていた、ロレーヌ
公国、今のフランス東部のロレーヌ地方で、17世紀
前半に活躍した画家。
しかし、長い間その名は忘れられており、20世紀に
入って、ドイツの美術史家ヘルマン・フォスによって
再発見されたと言われる。
その後の研究により、約60点ほどの作品が、
ラ・トゥールの手になるとされています。
この再発見の逸話は、フェルメールのトレ=ビュル
ガーによる再評価再発見神話に通じるものが感じ
られますね。
しかし、フェルメール以上に本当に忘れ去られた作
家だったというのは、事実のようです。
さて、その作品で、私が好きなのは、「大工の聖
ヨハネ」。
陰影の深さが、一瞬カラヴァッジョやレンブラン
トを思わせます。
しかし、その光は、カラヴァッジョの絵のような
画面の外からの神の光や、レンブラントの絵のよ
うな舞台のスポットライトのような強い光ではな
く、画面の中にある蝋燭のような人工光源のやさ
しい光で、陰影も穏やかで、静謐な画面である。
特に幼児キリストの蝋燭の光に照らされる肌の質
感の表現がやさしい。
この人工光線を使って部屋の中の風景を描く画風
は、ラ・トゥールの「夜の画家」と呼ばれる作品
群です。
一方、フェルメールに代表されるオランダの風俗
画のような画題を、明るい光で描き出す「昼の画
家」という、対照的な作品群が、ラ・トゥールに
はあります。
その代表作が「いかさま師」。
この作風のふれ幅こそが、ラ・トゥールの魅力で
あります。
しかし、日本で、ラ・トゥールの単独展ってのは、
初めてなのではないですか。
いやいや、すごいなぁ。
これは、また東京まで、遠征しないといけないな。
開館時間 :9時00分~17時30分
毎週金曜は20時まで開館
休館日:月曜日(ただし3月21日、5月2日は開館、
3月22日は休館)
観覧料金: ( )内は前売り料金
一般1100円(900円)
大学生750円(650円)
高校生650円(550円)
中学生以下無料
アクセス:JR上野駅公園口から徒歩10分
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コメント
こんばんは。
TB&コメントありがとうございます。
ラ・トゥール展を開催するという噂は
数年前からあったのですが、まさか
実現するとは思いもしませんでした。
西美がラ・トゥールを一枚所蔵できたので
弾みがついたのでしょう。
「いかさま師」は貸し出しが決定したのが
ほんと最近のことです。
よくルーヴルOKだしたと思います。
とにかく必見ですね。
二度とない展覧会です。
投稿: Tak | 2005/02/12 21:47
トラックバックありがとうございました!
『ラ・トゥール展』いよいよ来月ですね(^^)
アジア初の貸し出しになる、
【ダイヤのエースを持ついかさま師】!!
間近で目に出来るなんて・・・
早くも興奮気味です(^_^;)
投稿: リンゴ | 2005/02/12 22:53
トラックバックありがとうございます。なんと「いかさま師」来るのですか!
すばらしいニュース、それはぜったい行かなくては♪ マティスに比べればフェルメールは空いていたように思うのですが、さてラトゥールはどうなるでしょうね。
投稿: かえる | 2005/02/14 15:36
こんばんは。
ラ・トゥール展行って参りました。
時間をたっぷりかけて観たい展覧会です、これ。
珍しく図録も買ってきて家でも反芻してます。
投稿: Tak | 2005/03/11 21:21