一からやり直そうよ、野球は
本日の午後、野球とソフトボールが、ロンドン五輪の競技として
実施されないことが決定した、というニュースが、かけめぐった。
>サンケイスポーツ
>日刊スポーツ
>スポーツ報知
>毎日新聞
>読売新聞
>朝日新聞
>産経新聞
世界的な普及度を見た時、さらに、開催地が準備する施設の
コストパフォーマンスを、客観的に見れば、仕方がない。
テコンドーなんかも、どう考えても、世界的普及度、競技力の強い
国の偏り等から見て疑問だが、準備する施設は所詮体育館。
例えば、体操やら柔道を行う競技場を、開催期間をずらして利用
すれば、施設準備のコスト面での増加はさほどではないし、
事後利用の問題もない、ということだろう。
で、ネット上(某巨大掲示板等)では、ここぞとばかりにアンチ
野球の方々が、それみたことかという書き込みをしてたりも
するようだ。
一方、野球ファンの中にも、ネット上(某巨大掲示板等)で、
逆ギレやら異常な強がりやらといった過剰反応的な書き込みを
する方もいるようだ。
私は、大のスポーツ好きであるが、残念ながら、自分の中では
野球の優先順位はかなり低い(これだけ見るもんがたくさん
あれば、どうしても序列はできてしまう)
しかし、別に、恨みもなく、積極的に嫌いな訳ではない。
ということで、野球について少し考えてみたい。
さて、今回の除外は、それほど大騒ぎすることだろうか?
もともと、日本の野球人気において、オリンピックが、そんなに
大きな意味を持っていたのだろうか?
少なくとも、アテネ五輪の時以外は、五輪だからと言って、別に
野球ファンの方すら大きな話題にしてこなかった訳だし、これが
なくなったからと言って、本質的に、大きな影響があるとは思え
ないんだよね。
「国際的には普及していない」、つまり世界のNo1スポーツで
はない、ってことがばれて、日本人の野球熱が下がる、みたい
な意見もあるが、もともと野球ファンの方って、アメリカと日本し
か視野に入れてなかった訳だし。
朝日新聞のWeb調査では、冷静な反応をしているし。
さらに、一部サッカーファンを中心に、「サッカーNo1!野球全
然ダメ」といった感じで、世界の平均的なスポーツ人気ランクと
国内のスポーツ人気ランクが一致していないこと、国内リーグ
が世界につながっていないことを、ことさら言挙げする人もいる
けれども、そんなん、ほとんどの国で、国内のみで閉ざされて
いて、その国独自に人気のあるスポーツなんか、普通にある。
オーストラリアのオージーボールとか、
アイルランドでのゲーリックフットボールとか、
東南アジア各国でのセパタクローとか、
インドやバングラディシュでのカバディとか、
世界的な普及度とかまったく意識することなく、それぞれの
国内では大いに人気があり、国内のリーグ戦や選手権では
ファンは大盛り上がりする。
残念ながら、ラグビーも、基本は英国植民地で、かつ気候的に
適したところでしか普及していない(フランスと日本が特別)と
いう意味では、ポロやクリケットとかわりないが、それでも
南アフリカやNZではNo1スポーツだぞ(最近、サッカーにかなり
押されつつあるらしいが)。
だから、野球ファンの方は、世界の平均的人気度、普及ランク
なんか、気にする必要ないと思いますよ。
自分たちが、ほんとに楽しい、魅力的だと思えるんだったら、
その自分たちの感覚を信じて、楽しめばいいじゃない。
(もしかしたら、野球ファンの方も、実は野球そのものの魅力に
懐疑的になってしまっているから、気にしちゃうんだろうか)
長嶋観戦の際のエントリーでも書いたが、
ファンが心の底から本当に感じる、野球という競技の魅力を、
代々のファンが語り継ぐとともに、メディアも、リスペクトをもって、
ことあるごとに振り返り、語り継いで、きっちり伝えるという、
基本の基本からやり直していくべきでしょう。
その際は、「日本人にとって特別なものだ」(報道ステーション)
などという情緒的なフレーズではなく、「長嶋は太陽だから」
(デブ大久保)などという妄言ではなく、また他スポーツ(特に
サッカー)を貶めるという方法論ではなく、野球のプレーの魅力、
ゲームの魅力そのものを語れ。
そうやって、一からやり直そう。
一から、その魅力を再確認しようよ。
そして、世界的に人気のあるサッカーと、限られたエリアにのみ
普及しているラグビーと、日本発祥の柔道と、日本で独特の
人気のあるバレーと、普遍的なスポーツ競技である陸上と水泳と、
陸上の中でも日本にしか種目として存在しない駅伝と並列で、
アメリカと日本で人気のある野球を、楽しめば良いじゃない。
別にどれかだけを選ぶ必要もないんですよ。
逆に、これだけいろいろスポーツを楽しめる国って良いじゃない。
ただ、幹部がこんな発言しているようじゃ、だめですな。
「五輪は日本球界でプロとアマが接近するいいきっかけだったのに。」って、一国内のプロアマ問題なんか、関係ないでしょ。
<本エントリーのTB先>
プロ野球の視聴率について語るblogさん
スポーツ脳さん
「改めてサッカーのほうが凄いというのを思い知らされました」
管理人は別の顔さん。
抜けたカーブをホームランさんは、「野球を見ても『楽しそう!』って
思わないのかなぁ・・・」と不安に思っておいで。
のほほーんさんは、今回の除外は、ヨーロッパ基準でないのか、
とやや憤慨。
russian*blogさんは、サッカーの方こそ除外せよ
という意見をお持ち。
吉本興業社員 高橋カズの2ストライク日記(ブログ)さんは、
「現状ではやむをえない」と冷静な感想。
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コメント
トラックバックありがとうございます。
確かに野球・ソフトは様々な面でコストがかさみますね。球場建設、管理、五輪後の運営・・・もしかしたらIOCは「メダルの個数が減ってよかった」なんて思ってるかもしれませんね、1チーム十数個メダルを作らなければいけないんですから(←妄想です)。
まぁオリンピックからは除外されましたが、僕自身はメジャーリーグで十分楽しめているのでそんなにガッカリしてません。けど”ドリームチーム(メジャーリーガー含む)”が五輪で見られなくなるのはちょっと残念です・・・
ちなみに僕もデーブは嫌いです。
投稿: lewis | 2005/07/09 10:32
これからはW杯が頂点の大会になっていくのでしょうか。
個人的には野球がはずされたよりもソフトの方が衝撃でした。
もちろん、野球とソフトを比べるべくもないのですが・・。
投稿: marglid | 2005/07/09 12:13
トラックバックさせていただきました。自分が書いた文章の内容が薄いなと思い、追記しようかと考えてましたが、書きたいことは、ほとんどこちらで書かれていたという感じでした。
本来は、大して大騒ぎするような問題ではなく、お書きになっている中にもありますが、むしろ、当の球界の幹部のような人たちの、認識の程度の低さこそが問題と思っています。それと、マスコミのネガティブ報道ですね。何のかんの言っても、世論はそれに引きずられてしまう所が大きいですので。長嶋問題と同じような話ですね。
投稿: wrightsville | 2005/07/09 12:25