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2006/03/26

意外と冷静な記事も多いと思うよ、WBC報道。

で、さらにWBC、続けます。
なんか「『野球万歳!』みたいな提灯記事やニュースばっかりで
ふざけるな!」というネット上での言論も多いようなのですが、
私が見てる範囲では、そんなことは無いのかなぁ、と思えます。

もちろん、アホみたいな煽りはいっぱいあります。
でも、WBCに関する報道の中で、ちゃんと大会そのものの抱える
問題、野球の国際普及の抱える問題、そして日本の野球に関す
る問題も、それなりに触れているものは多く見ることができました。

もちろん、問題提起といいつつ、その中に、その掘り込み方が
浅いもの、的外れなものもありましたが、意図的に課題をまったく
隠す、と言うことでは無かったかと。

で、例えば、神戸新聞に掲載された記事を引用いたします。

第1回WBC総括

世界大会「一歩」に意義
 課題残すも道筋示す
 今、4分の3世紀に近い時を超えて開かれた「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)が、形こそ違うものの、正力の、そして日本の世界に向けた夢を実現させた。欠陥が多かったという運営面での酷評はある。しかし、そのことはひとまず置き、積年の思いが実った大会で日本が頂点に立ったことは、時代を画する出来事として受け止めていいかもしれない。
 優勝の意義は深い。メジャーの選手が集結したとは言えないまでも、参加チームに一線級の大リーガーが散った。米国に1度、韓国には2度も敗れはした。しかし、キューバを倒しての優勝は投手力を中心にした日本の野球が、世界に伍するということを証明して見せた。村上雅則が渡米してから42年がたち、野茂英雄の挑戦から11年の歳月が流れている。時がもたらした熟成はプロの一流選手が集う大会を立ち上げさせ、その中で日本代表が優秀性を発揮したことに感慨は大きい。
 19日の韓国との準決勝では関東地区の瞬間最高視聴率が50%を超すという驚きの数字も生まれた。球界は一昨年の再編騒動に対するファンの不信感、巨人の人気低迷などから大きな転換期を迎えているといわれる。その状況下での高視聴率は、国民的娯楽とされるプロ野球が根幹のところでは大きな支持を失っていないことを表している。
 「世界一」と浮かれるのは早すぎる。WBCに解決しなければならないいくつもの問題があることも承知している。それでも誕生したばかりの大会が、将来的に真の世界一を争うイベントになる兆しは見られた。サッカーのワールドカップの規模とは比べられない。しかし、局地的な規模でも野球国の選手が名誉と意地を懸け、ファンが熱狂する刺激的な戦いにはなろう。あえて言えば日本の勝利より、その歴史的な大会がはじめったことに、より大きな意義がある。

この記事のライターは、共同通信運動部編集委員の石田康博さん。
少し突っ込みどころもあるが、比較的冷静な評だと思う。

大会に関わる部分では
欠陥が多かったという運営面での酷評」とも書いているし、
将来的に真の世界一を争うイベントになる兆し」とも書いてあるし、
局地的な規模」とちゃんと書いてある。

また、日本の優勝についても
「日本の野球が、世界に伍する」とか、
「『世界一』と浮かれるのは早すぎる」といったように、
能天気な世界一自慢にはなっていない。

フジテレビの「すぽると」や、テレビ東京の「スポ魂!」なんかでも、
比較的ちゃんとした総括はあった。


サッカー日本代表のジーコ監督にコメントさせたのは、評判が
あまりよろしくないようだが、例えば下手したら野球以上に局地的
にしか本格的な普及をしていない
(大英連邦+フランス+ポリネシ
アン諸国。日本は特別、あとアルゼンチン)ラグビーでも、2003の
ラグビーワールドカップにイングランドが優勝した際に、サッカーの
イングランド代表のエリクソン監督や、ベッカムなんかにコメント取り
まくっていた訳で(イングランドのメディアが)。
ラグビーファンから言うと、あんまり批判できんのよなぁ。

サッカーと野球が日本の二大スポーツと認識しているから、一方の
活躍に対して、もう一方のコメントを取ったのじゃないのん?
きっと6月になると、王監督にサッカー日本代表へのメッセージとか
取りに行くんじゃないかな。
それは、別にいいんじゃないの?

<本エントリーのTB先>
S氏の時事問題 さん
川の果ての更に果てにサン
サカー日本代表.comさん
Jリーグの観客動員数を語るblogさん
スポーツ見るもの語る者~フモフモコラムさん
BLACK SQUAREさん
プロ野球の視聴率を語るblogさん
冬の日さん
山歩のBlog スポーツさん
よいこの球界問題観察日記さん
路上の風景~landscapes on the roadさん
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コメント

TB有り難うございました
今回のWBCは問題が多い大会だったですね。でも、第一回が行われた意義は大きいですね。まあ次回以降に上手く繋げていければ大成功なのですが、どうなるのでしょうかね。

投稿: 冬の日 | 2006/03/26 18:32

TBありがとうございます。
ラグビーですが、一応アフリカ南部でも盛んです(笑)。
どちらがより局地的かは非常に微妙な気もしますが、いずれにせよ似通った状況にあると思いますので、今後野球の国際試合の形式はラグビーを参考にしていくべきだろうと思います。

投稿: 川の果て | 2006/03/26 20:04

路上の風景~landscapes on the roadのyanzです.TB&紹介いただき,ありがとうございました.紹介された記事,興味深く読みました.こういうキチンとした記事を書く記者の方もおられるのですね.こういった良心的な記事を見落とさなくてよかったです.
優勝に便乗するような情報であふれているので,それだけ食傷気味なんですよね.おまけに刷り込み効果がひどいので,よい記事を見落としがちですね.

投稿: yanz | 2006/03/26 21:45

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