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2006/05/05

日本を愛する一歩なのか、京都市中心部の高さ制限強化ようやく

花の寺・勝持寺の参道付近の西山大原野の
環境を破壊しかねない京都第2外環状道路
について、“日本ならでは”の文化的景観を
守れなくて、何が国を愛するだ、と思ってし
まう、というエントリーをしました。

それに関連するようなニュースとして、先月
4月19日、京都市の桝本市長の定例記者
会見で、2007年度から京都市が都心部
の市街化区域全域で、建物の高さ規制を
見直し、強化することを明らかにしました。

京都市情報館
 平成18年4月19日桝本市長定例記者会見資料

京都新聞記事

京都の中心部、洛中の街並みは、戦後、そ
して、バブル時、さらには最近の京都ブーム
などで、何度となく開発による破壊の波をか
ぶってきた。

京都タワー、京都ホテル改築、京都駅新ビル
など、大型建築の計画が発表されるたびに、
景観保護と経済優先の開発促進の議論が
沸き起こってきた。
また、俵屋旅館の隣地のマンション建設に
代表される、中京の中層マンションの開発
問題でも、同じような議論は起こってきた

京都の町屋などの街並みの持っていた日本
独特の洗練された木造建築の風情は少々の
時間では作り上げることはできないもので、一
度失われたらもう二度と再建は難しいものだ。

しかし、多くの場合は、京都の持つ文化的独
自性、個別性を省みることのない、全国共通
の建築規制の網のもと、結局、開発を認めざ
るを得ない状況になってきていた。

京都市も、それなりに景観を重視して、色々
な配慮をしようとしてきたともいう。しかし、こ
のエリアは都心商業経済地区でもあり、また
民間保有の土地に、法規制の範囲内で建て
られるものに対してはどうにも仕方がない、
ということだった。

世界にはいろいろな都市があり、それぞれ
の特徴を持っている。歴史ある都市の街並
みや文化的風景は本当に美しい。

それは、そこに住む人々が、そして国が、
その街そのもの、そしてその街が代表する
国や文化を愛し、その保存に熱意を賭けて
きたからだ。

一方日本はどうだったろうか。

曲りなりにも“日本を愛する”と言う場合には、
日本人が長い時間をかけて作り出し、愛し
て、守ってきた、まさしく“日本ならでは”の
比類なき価値を持つ、歴史的風土、文化的
景観の代表である京都の街並みすら守ら
なくて、守れなくて、どうするのか。

にも関わらず、政治家や官僚の作り出した
全国一律な法規制が、官民開発共同体が
京都(に限らず、多くの都市や街の)価値あ
る文化的景観や街並みを守ろうと言う熱意
や愛を、邪魔してきた。

だから、
私は、政治家とか官僚みたいな連中には
愛国なんぞ言われたくないんだ。

お前らの方が、この国の風土歴史文化を
愛していないじゃねえか、と思う。

で、今回の、この規制強化、
遅すぎるよ、ようやくかよ、
いう気もする。

でも、遅すぎても、やらんよりまし。

文化的景観と言うのは蓄積である。

単純な凍結保護保存だけではなく、共通の
精神をもって新たに作っていくものが加わり
調和ある蓄積がなされていき、50年後に
改めて今よりも良い文化的風景になっている
ということにつながれば良いと思う。
そのために、さらに有効な法規制とインセン
ティブを考えるべきだろう。

ところで、
こういったかなり特殊な規制をかけることが
できるようになったのは、もしかしたら地方
分権の成果でもあるのかもしれない。

<本エントリーのTB先>
今回の規制について、エントリーをされておいでの

過去の景観問題についてエントリーしておいでの

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締め切りも迫り、エッセイに集中しないといけないのですが・・・。 ニュースを読んでいると腹立たしい事が多くあります。 ですので記事を書いてしまいました。 <京都>景観を守れ 京都市が高さ規制を強化 世界遺産にも登録されている京都の町並みを守るため、京....... [続きを読む]

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