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2007/01/26

「日本美術」とは何か、「日本画/洋画」とは?

いま、日本画、洋画というと、それぞれがどういうタイプの絵か、一定の共有イメージがもたれているかもしれない。

しかし、今、日本画と認識されているものは、けっして日本古来(この表現自身も、じつは曖昧なものではあるが)の絵画の伝統にそのままのっとったものではなかった。
明治期に一気に流入してきた西洋絵画(この表現もまた曖昧ではある)に対抗するために、画題、画法、画材について、その影響を受けつつ、しかも逆に差別化ポイントを強調することで、新たに創造されたものであるとも言えよう。

近年、木下直之氏、北澤憲昭氏や佐藤道信氏らの研究により、「世界の」「先進の」芸術観(という名の欧州の芸術観)が輸入された明治初期という時代性の中で、時の画家/絵師たちが日本画、洋画の区分けの揺らぎの中で制作にチャレンジし、岡倉天心らによって概念が定着してきた過程が明らかになってきた。

そういったプロセスを、実際の作品で追体験できる展覧会が開催されています。 

「揺らぐ近代ー日本画と洋画のはざまに

会場】京都国立近代美術館
会期】1月10日(水)~2月25日(日)
開館時間】9:30~17:00/金曜日~20:00
 (入館は閉館の30分前まで)
休館日】毎週月曜日(但し2月12日開館翌13日休館)
アクセス】
京都市バス「京都会館美術館前」下車徒歩すぐ
地下鉄東西線「東山」駅下車徒歩約5分
料金】()団体(20名以上)
一 般 850円(600円)
大学生 450円(250円)
高校生 250円(100円)
※中学生以下無料

<本エントリーのTB>
昨年末に東京国立近代美術館で開催されていた同展覧会をご覧になった方々のエントリーにTBをお送りします。

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コメント

こんにちは。
TBありがとうございました。

今、この展覧会関西で開催しているのですね。

投稿: Tak | 2007/01/27 11:57

Takさん、コメントありがとうございます。
お久しぶりですね。

そうなんです、当展覧会は、今関西でやっているのです。

最近、ちょっと美術展、展覧会に行き損ねているので、きちんとチェックをしなければと思っています。

なにせ、『受胎告知』と『牛乳を注ぐ女』が来日するんですから、チェック忘れなんてしていられませんよね。

投稿: 六甲びと | 2007/01/27 12:13

こんばんは

TB、ありがとうございました。

巡回する展覧会ですと他の会場の情報が入って、
それはそれで楽しそうですね。

また、場所が変わると見せ方も変わりそうですね。
京都はどんな風になっているのでしょう...

投稿: lysander | 2007/01/28 19:53

こんばんは。TBありがとうございました。
あまり「入り」の良くなさそうな展覧会でしたが、
内容はとても優れていて楽しめました。
関西では盛り上がると良いですね。

投稿: はろるど | 2007/01/29 23:13

lysanderさん、コメントありがとうございます。
もちろん、最初の展覧会に、未知の期待感をもって見に行くのも良いものですが、最近はこうやってブログなどで実際に行かれた方の情報が拝見できるので、いいもんでもあります。

はろるどサンも、コメントありがとうございます。
そうですか、あまり「入り」は良くなかったんですか。
わたしなんかから見ると、この画家たちの作品が一箇所で見られるというのはめっちゃ楽しみなのですが、一般的なネームバリューは不足しているかもしれませんね。

投稿: 六甲びと | 2007/01/31 02:20

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