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2007/02/11

難病児の手術費用募金について考える

一応、騒ぎもおさまったようなので、もうエントリーしてもいいだろう。

昨年の終盤、ネット界の一部で批判的言辞にさらされた事件として、海外、特に米国での臓器移植手術に頼らざるを得ない難病児への手術費用支援の募金「〇〇ちゃんを救う会」に関する問題(批判派からは「死ぬ死ぬ詐欺」という表現も)があった。
昨年後半からいくつかの募金運動が並立しているが、その中でも大きな批判を生むきっかけとなった個別事例が、今年の正月の毎日新聞で、ネット批判と言うスタンスでその顛末が再掲載されたので、今まで知らなかった人も気がついたかもしれない。

この記事のせいで、再度火がついた感もあったが、とりあえずは手術も成功したらしく、ひと段落したというところか。
(批判していた人も、一部を除けば海外での移植手術の是非と募金の方法論に関しての疑義を投げかけていただけだったので、難病児の手術が成功に終わったことには喜んではいるようだ。)

実は、この騒動のきっかけとなった募金運動には、私が仕事でいろいろとお世話になっていた方もかかわっていた。
で、その方は、blogやmixiの日記を通じて、この募金への協力の呼びかけをされていた。

しかし、私のこのblogをさかのぼっていただいたらわかるように、私はこの募金の件についてのエントリーはしていない(あとから削除した訳じゃないですよ)。

また、この件だけではなく、私の周りでの同様の難病児への手術費用支援の募金ということでは、一昨年Jリーグの某チームの有名なサポーターの方の子どもに対する募金もあった。
ヴィッセル神戸やTASAKIの他のサポーター仲間の方は、のぼり旗やら手配りのチラシなどを駆使し、積極的に呼びかけるという協力をされていた。

しかし、私は、この時もどうも乗り切れずに、協力はほとんどしていなかった。
また、当時多くのJサポブログには、当該募金へのリンクなどがよく貼られていたが、私は一切貼ってこなかった。

なぜか。

批判されている方々が指摘するような、親の勤め先がどうだとか、世帯収入や資産状況はどうだとか、募金収入の経過報告がどうだとかいったことが理由ではなかった。
それ以前の、子ども一人の命を救う、それも手術だけに、億のオーダーの費用がかかるといういびつさにどうしようもない違和感を感じ、乗り切らないものを感じてしまったということだ。
また、臓器移植治療というものの構造的な問題についても、ついつい考えを及ばしてしまう。

もちろん、親としては、愛する自分の子どもを救うためなら、どんなことでもするし、どんな金額でも出したいと思うものなのだろう。
最近の事件などを見ると、子どもをそこまで愛せない親も多いように思える中、逆に、すばらしい子どもへの“愛”とも言えるかもしれない。

だが、同じ一億あったら、それこそアフリカだったり、南米や東南アジアだったりの子どもたちが、どれだけ救えるだろうと、私は思ってしまうのだ。
プロ野球ソフトバンクホークスの和田投手のワクチン基金ではないが、同じ金額でより沢山の人が救えるのだったら、そちらの方こそ優先すべきすばらしいことじゃないのかと思ってしまうのだ。
発展途上国の貧困な環境にいる子どもへのスポンサーシップのように、同じ金額でより多くの人に未来への希望を与えられるのだったら、絶対にそっちの方が良いのではないかと思ってしまうのだ。

それとこれとは別だ、
目の前に助けが必要な人がいる場合は、まずその人から助けるモンだろう、と言われるかもしれない。
また、そんなものどちらか一方ではなく、両方に支援を行えば良いだけだと言われるかもしれない。

私一人が募金をどうするか考えるのであれば、上記の指摘は当てはまるかもしれない。
が、もちろん私はビル・ゲイツやベッカム、トッティではないので、募金に割ける資源だって限りがあるわけで、それを薄く両者に分けるのと、どちらかに集中した方が良いかは、元手が少ないがゆえに余計に真剣に考えてしまう。
そして、絶対金額が少ないからこそ、その少ない金額が少しでも多くの人に影響を与えることが出来る方を優先したいと考えるのだ。

そして、なにより自分自身も乗り切れていない難病児の手術支援の募金の呼びかけを、ある程度の数の方がのぞきに来てくれるブログで(こんなブログでも、350~450程度のアクセスがあるんですよ)無責任に紹介できなかった。

よっぽどの身内に何かあれば、たとえ一人しか救えなくても自分自身の金銭的支援はするかもしれないが、他人に募金の呼びかけまではやはりできない。
これからも、自分としては、このスタンスは変わらないだろうな。

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コメント

一昨年Jリーグの某チームの有名なサポーターの方の子どもに対する募金もあった。

この件について言わせていただくと、貴殿のご説ごもっともという感でしょうか?有名なサポーターだったから募金も出来た。ということでしょう。たぶん俺がその立場になっても、誰も知らん顔でしょう。だって俺は一サポーター(つまり自称、組織い属していない)だから。でも募金はしましたね。それは子供のためじゃなく、どちらかというとOさんらの男気みたいなものに対してですかね。後、この親は非常識すぎるというか、TVなどでは募金したサッカーファンに対して御礼もなかったでしょう!たまたま俺が見てないところではあったかもしれんが・・・。嫌悪感を覚えましたよ。

投稿: 玉井真吾 | 2007/02/11 15:43

玉井真吾さん、コメントありがとうございます。

某サポーターの募金の際は、たしかにTASAKIサポのリーダー的存在だった方々が熱心でしたので、おっしゃるとおり男気に対して、わたしも自分の分はそれなりに募金をしました。

ですが、募金の呼びかけについては、自分は積極的に拡げることまでは協力はしなかった、ということでした。
その理由はエントリーの通りです。

今から振り返って、自分の当時の感覚を整理したということです。

投稿: 六甲びと | 2007/02/14 01:46

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