スポーツビジネスが各国に占める割合から、放映権料を考える①
以前、リバプールのアンニュアルレポートをもとに、世界でももっとも裕福スポーツビジネスの一つであるイングランドのプレミアリーグのビッグクラブのビジネス構造をまとめてみたことがあります。
⇒スポーツチームのビジネスモデルを、リバプールを例に見てみよう(1)
⇒スポーツチームのビジネスモデルを、リバプールを例に見てみよう(2)
⇒スポーツチームのビジネスモデルを、リバプールを例に見てみよう(3)
⇒スポーツチームのビジネスモデルを、リバプールを例に見てみよう(4)
⇒スポーツチームのビジネスモデルを、リバプールを例に見てみよう(5)
ここでまとめたように、プレミアでは、①Cup competition、②Premier League; TV revenues、③Sponsorship、④Retail merchandising、⑤Premier League; Match-related”の5つが大きな収入源です。
さらに、おそるべしということですが、②Premier League; TV revenuesに関しては、Sports Meet Businessサンや、イタリアサッカーを(主に)喰らうサンにあるように、プレミアリーグ全体として新しい3ヵ年契約が結ばれまして、国内向けのテレビ放映権料(4065億円)、インターネット、携帯電話での放送権料(956億円)に加えて、世界208カ国向けの海外向け放送権料が総額6億2,500万ポンド(約1,425億円)と、合わせて、向こう3年間で、なんと27億2,500万ポンド(約6,200億円)!です。
1年平均で、約2000億円。
国内向けテレビ放送だけでも、約1300億円となっています。
プレミアリーグでは、放映権料配分は、全体の50%をリーグ所属の全クラブで均等に分け、25%を放映回数によって配分、残り25%を最終順位、つまり上位ほど厚く配分します。
その結果、来期の優勝チームには120億円、最下位でも64億円の分配とのこと。
リバプールは人気チームですから、放送回数配分も含めると、今年の3~4位の成績でも、100億円近い配分があるのではないでしょうか。
一方、サッカー界でも、イタリアのセリエAやスペインのリーガ・エスパニョーラの放映権は、リーグ全体での交渉ではなく、チームごとでの交渉となっておりまして、レアル・マドリーやバルサは、突出した金額を示しています。
例えばマドリーは、7年契約で11億ユーロ(約1,725億円)、つまり、年平均246億円ですよ。
イングランドサッカー留学日記さんによると、今年も世界のサッカークラブ中、売上トータルがNo1だったマドリーは、入場料(5200万ポンド=約120億円)、テレビ放送権料(6320万ポンド=約145億円)、スポンサーなどのコマーシャル料(8680万ポンド=約200億円)、つまり合わせて1億8620ポンド=約430億円とのことですが、放映権料がさらに増額しましたので、来年以降も収入増が見込まれますね。
また、ビッグクラブの胸スポンサー=メインスポンサーなどは、とんでもない金額で、ユベントスの「TAMOIL」が約36億円、マンチェスターユナイテッドの「AIG」が約35億円と推定されています(Sports Meet Businessさん)。
一方、世界最大のスポーツビジネス大国であるアメリカではどうでしょうか。
NFL JAPANのサイトでまとめられているアメリカ4大スポーツの状況から抜粋しますと、アメリカン・フットボールのプロリーグNFLの全試合の放映権料は、2011年までの5年契約で、1年平均31億ドル=約3658億円です。
野球のプロリーグMLBは、全米放送、プレイオフなど一部のみがリーグの管轄で、昨年までの6年契約で1年平均4億1667万ドル=約492億円だそうです。
さらにバスケットボールのプロリーグNBAも、今年までの6年契約で、1年平均4億ドル=約472億円。
4大メジャースポーツの中ではもっともビジネス規模の小さいアイスホッケーのプロリーグNHLは、今年までの3年契約で、一年平均6,917万ドル=約81億6千万円ですね。
⇒②に続く
野球批判派の代表格としての「日本の国民的スポーツは野球か?それともサッカーか?」の最新エントリーにTBしておきます。
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