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2007/04/07

プロ野球NPBのビジネスモデルは、何を変えるべきなのか②

⇒前から続く

次に、以前のエントリーでも触れましたが、例えばイングランドのプレミアリーグの放映権料配分による各チームの放映権収入の差はどうでしょうか?

プレミアの放映権に関しては、リーグが一括して、交渉しており、そういう意味では、各チームが個別交渉をしているNPB、さらにリーガ・エスパニョーラやセリエAに比べると、個別チームの努力を制限する“共産主義的”に見えるかもしれません。

しかし、その配分に関しては、競争原理を働かしています。

繰り返しになりますが、全体の50%はリーグ所属の全クラブで均等に分けますが、残り50%のうち、25%を放映回数によって、つまり放送ニーズのある人気チームほどあつく配分。残り25%は、最終順位に応じて、つまりチーム力を整備して、上位になるほど厚く配分します。

その結果、今年に関しては、1位のチームは120億円、最下位のチームでは64億円と、なんと56億円もの差がつくと予想されているとのことです。
つまり、プレミアでは、放映権からの配分の格差は、従来のNPBと同じくらいの差は開くのです。

これは、各チームの成績と人気を得るための努力が十二分に反映されていると見ても良いですよね。

つまり、たとえ放映権販売の窓口をリーグで一括管理したとしても、配分の方法さえきちんと設定すれば、各チームの努力に応じた放映権料格差は実現することができるのです。

もし、本当に、個別チームの自助努力だけでやりたいのだったら、昔のプロチームのように、各チームがツアー巡業し、行く先々で地元チームとの有料試合をしてまわる、あるいは紅白戦興行(サッカーもコリンシアンズとか、アメリカプロ野球選抜の来日興行など)をやれば良いのです。

現在でも、バルサやマドリー、マンUなどのアジアツアーなどそれに近いものもありますが、それは、あくまでもシーズン間のエギジビションでしかありません。

しかも、バルサやマドリーも、リーガ・エスパニョーラやヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグといった価値のあるリーグ戦で、長い間にわたって、好成績や好プレーを残しているからこそ、チームのブランドが上がり、こういったエギジビションがビジネスとして成立する訳です。

やはり、リーグ戦という形式をとっている限り、各チームの価値の基盤は、リーグ戦そのものの価値にあるのです。
トータルとしてのリーグの価値があがらないことには、個別のチームもジリ貧になるのは目に見えています。
それぞれの国内で圧倒的な成績を誇るスコットランドのセルティック、レンジャーズ、ベルギーのクラブ・ブルージュやアンデルレヒトなどが、イタリアのミランやユーベ、プレミアのマンUやリバプール、ドイツのバイエルン・ミュンヘン、スペインのマドリーやバルサらと価値が違うのは、やはりリーグの価値が違うからです。

そして、リーグそのものの価値を上げるためには、やはり所属チームが協力をしなければなりませんし、リーダーとなる存在が必要となるのです。

しかも、そうやって高めたリーグの価値を、さらに高く販売するためには、権利者がまとまって売り手独占にしておいた方が良い訳です。
そのために、まとめられる権利部分は、リーグに委託する。。
基本的には、放映権などは、間違いなくリーグとしてまとめた方が、売り手の立場が強くなる要素ですし、リーグスポンサーも当然まとめて販売する要素でしょう。
それによって、リーグがリードして、トータルのパイを、個別交渉時の単純合計よりも大きくするのです。

個別チームの努力の差は、プレミアリーグのように、配分による格差で反映するとともに、リーグに委託した残りの権利(チケット販売収入、スタジアム関連収入、個別チームのMD収入、個別チームスポンサー)を活用して、個別チームが収入を多角化、増大化することによって、反映するというバランスしかないと思うんですよね。

コメントをいただきましたので、「大西宏のマーケティング・エッセンス」さんの野球界とテレビ界の問題を指摘するエントリーにもTBしておきます。

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