かわいい女の子の質問に、Noism主宰の金森穣も苦笑
金森穣率いる、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館の、劇場専属のダンスカンパニー、Noism。
一定水準の技術を持ったダンサーたちと、金森穣の質の高いコリオグラフ、さらに音楽や舞台上の演出も加わり、なかなか興味深い作品を発表してくれているので、以前から、関西公演の際には、なるべく行くようにしていました。
で、今回は、『Noism07 PLAY 2 PLAY -干渉する次元-』という新作が、関西公演として、兵庫県立芸術文化センターで開催された。
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兵庫県立芸術文化センターは、阪急の西宮北口駅から、デッキでそのまま繋がっています。
舞台上には、ガラスを組み合わせた(多分)三角柱の可動性の舞台装置が組み合わされ、照明の加減によって、鏡になったり、半透明で後ろが透けたりする。
その奥、舞台上にも客席(自由席)を設け、後方からも演技を見ることができ、両面性を要求される。
ダンサーと舞台装置との関係性の中で、手前と奥、実像と鏡像と合わせ鏡でさらに増殖する像など、様々な表現がなされることになる。
さらに、頭上からの絞り込まれたスポットライトの演出で、明と暗の対比もおもしろい。
その中で、スピーディーに、あるいはゆったりと、手足で空間を切り裂いたり、その引き裂いた空間をつなぎとめたり、ダンサーとダンサーとのぶつかり合いや交流などの動きが反復され、微妙にその動きを変化進化させながら、時空間をつむいでゆく。
舞台装置の動きの手順や照明や音楽との連携など、劇場で長い間準備が出来る、レジデンシャル・カンパニーとしての強みを生かした、挑戦的な作品・演出だったように思います。
で、このカンパニーは、公演の際、公演終了後にお客さんが客席に残り、舞台にダンサーと金森穣さんが登場し、トークセッションを行うのが常です。
こういう時に、大人の方々は、自分の感想を長々と述べたり、どうしても抽象的な質問になりがちで、なかなか良い質問が出にくいのが、日本なのですが、今日は、すばらしい質問が。
司会の方が、「最後に」ということで、小さな女の子を指名したのですが、その女の子の質問は以下の通り。
私は、クラシック・バレエをずっとやっていて、コンテンポラリー・ダンスを始めて6ヶ月くらいです。
なので、正直言って、今日は、あんまりよくわかりませんでした。
小学生の私にもよく分かるように、説明してもらえませんでしょうか。
この素朴でシンプルながらも、核心をついて質問に、残っていたお客さんも大拍手。
舞台上に並ぶダンサーや金森穣さんたちも、苦笑。
答えとしては、「コンテンポラリーダンスには、算数とかの学校の勉強とは違って、解釈の正解は無いので、自由に感じて欲しい。」「わからなくて、良いのです。その“わからなさ”をずっと覚えていてください。もしかしたら、いつか、ふと分かる瞬間が訪れるかもしれないし、分からないままでも良いのです」とのこと。
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