残念、男子体操個人総合、水鳥選手銅メダル、富田選手は入賞圏外、さあ明日からはラグビーだ
ドイツ・シュツットガルトで開催されている世界体操選手権。
昨日の男子団体総合の決勝に続いて、本日は、男女個人総合。
女子は、日本選手は個人戦には進出できず。
ごめんなさい、鶴見虹子選手が出場していました(9/9修正)
男子のエース富田と水鳥の2枚看板(鹿島が怪我のため)は決勝進出。
新採点基準になって圧倒的な強さを見せる中国の楊威にどこまで食い下がれるかが見モノだった。
が、富田選手は、あん馬での落下(ところで、どうも、昔に比べて、トップクラスの選手たちですら、あん馬の落下が目立つのですが、なんでなんでしょう? 持ち手が、変わっているのかなぁ)で出遅れ。
吊り輪や平行棒などで得点を伸ばし追い込むが、得意の鉄棒の離れ技での落下で万事休す。
一方、水鳥選手は、大稼ぎもしないものの、大崩れもなく、着実にメダル圏内を視野におさめる得点を重ねる。
そして最後の平行棒、鉄棒で、16点弱(本当は、16点オーバーしたかった)で追い込み、3位にすべりこんだ。
これで、個人総合での連続メダル獲得も4(だよね)に伸ばし、安定した成績を日本勢は残している。
一時期の“体操日本”の圧倒的強さ(全盛期なんか、団体・金、個人総合で金銀銅のメダル独占、種目別でも6種目中4種目金獲得なんてこともあったんよねぇ)ではないものの、来年の北京五輪に向けて、期待したいところ。
しかし、銀メダル以下、入賞圏内まで、6種目合計で本当に僅かな得点差。少し気を許したり、凡ミスなどをすると、一気に入賞圏外にもなってしまう。これからの一年、難易度の高い技でも、指先から、足先まで意識してコントロールできるようにしてほしい。
さて、そんな体操に続いて、いよいよ始まるIRBラグビーワールドカップ2007フランス大会。
我らが日本代表を率いるは、ジョン・カーワン。
1987年の第一回ラグビーワールドカップで優勝したニュージーランド代表オールブラックスのエースWTBにして、大会トライ王&MVP。
自他共に認めるラグビー王国であり、かつ実際にその後も殆どのシーズン、他国を圧倒する成績を残しながら、なぜか、その後、ワールドカップに限って足をすくわれ、戴冠の無いニュージーランド(喩えて言えば、サッカーワールドカップ1994アメリカ大会までのブラジル状態)。
よって、ニュージランド国民にとっては、第一回大会の代表メンバーは、レジェンド中のレジェンド(94年以前のブラジル国民にとっての、70年メキシコ大会のセレソン=ペレ、ジャイルジーニョ、カルロス・アウベルト、リベリーノ、トスタン達のようなもの)
中でもカーワンは、キャプテンのSHデイビッド・カーク、SOグラント・フォックス、No8バック・シェルフォードと並び、スター中のスターであり、当時のオールブラックスのシンボル。
つまり、サッカーで言えば、ジーコどころではない。ペレが、日本代表の監督をしてくれているようなもの。
しかも、ペレ(やジーコ)と違うところは、カーワンは着実にマネジメント及びコーチングのステップをきちんと踏んできているところ。
もちろん、そんなカーワンだからといって、“マジック”がある訳ではない。
というよりも、ラグビーという競技は、タイト&ヘビーなコンタクト局面が連続するために、“マジック”が最も利きにくいスポーツ(のひとつ)であることは否めない。
だからこそ、カーワンは“マジック”ではなく、ラグビー日本代表の芯を絞込み、強くすることに注力してきた。
(実は、平尾元日本代表監督の当時も、これを言っていたのだが、国際レベルでの真のコンペティションに耐えうる芯の強さを代表チームに落とし込むコーチング手腕に不足があったと振り返れる)
なんとか、ここに日本ラグビーあり!というプレーを、試合を、ワールドカップの舞台で、世界のラグビー界に発信してほしい。
⇒ラグビー解説者・村上さんのブログ「ラグビー愛好日記」にTB
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コメント
>時期の“体操日本”の圧倒的強さ(全盛期なんか、団体・金、個人総>合で金銀銅のメダル独占、種目別でも6種目中4種目金獲得なんてこ>ともあったんよねぇ)ではないものの、来年の北京五輪に向けて、期>待したいところ。
初めて書きこませていただきます。
視聴率ブログのリンクからこちらを知り、時々、拝見させていただいておりました。体操競技について書いていただいてうれしいです。
世間の扱いが少なすぎて・・世界選手権だというのに。
ところで、もしかしたら「釈迦に説法」の類になってしまうかもしれないのですが・・
ミュンヘン五輪で日本は個人総合、鉄棒(もしかしたら平行棒もだったかも記憶が定かではないです)で金銀銅を独占しましたが、これ以後、あまり特定の国にメダルが偏るのはよくないということで、種目別の決勝に進めるのが、一カ国二人までになってしまいました。
当時、ソ連の日本つぶしじゃないかっていう人もいたようですが、幸か不幸か、その後、日本は弱体化したため、かえって、絶対的に強いソ連を苦しめる結果となったようで・・
ですので、種目別で金銀銅の独占は、不可能となりました。
また、シドニー五輪以降、ルール改正により、個人総合の決勝に進めるのも一カ国で二人までとなったため、体操での表彰台独占はもう不可能となっています。ですので、かつてに比べてというのは酷だと思うのです。差し出口をいたしました。
投稿: つうこうにん | 2007/09/10 00:46
つうこうにんサン、長文コメントありがとうございます。
体操世界選手権の問題は、五輪以外の毎年開催というのが、
一回一回のありがたみを失わせているかもしれませんね。
いわゆる“体操日本”の頃は、五輪の中間年の4年に一度
でしたからね。
だから、日本の団体10連覇(五輪5連覇+世界選手権5
連覇)って、まる20年にわたって優勝し続けていたんで
すよね。
それに比べると、どうしても、やはり一回一回の重みは少
し軽くなってしまいます。
楊威の個人総合連覇も、日本人だから思うかもしれません
が、加藤沢男さんの4年をはさんだ五輪個人総合2連覇に
比べると、ちょっとなぁと。
で、日本に圧倒的な成績を望むのは、ソ連系各国の分裂に
よる強豪の増加と、中国、韓国の台頭と、今の規定上しん
どいというのはわかっていますが、少なくとも種目別に関
しても、全種目(あん馬は、鹿島選手に期待)日本選手が
出場してほしいというのはありますね。
投稿: 六甲びと | 2007/09/13 01:21
ご丁寧なレスありがとうございます
>体操世界選手権の問題は、五輪以外の毎年開催というのが、
>一回一回のありがたみを失わせているかもしれませんね。
大会の権威もさることながら、選手に負担がかかっているのではないかと気がかりです。
特に、日本の男子の場合、団体、個人総合、種目別とすべてで結果を求められるので、主力となるエース格のオールラウンダーは大変だと思います。去年など、アジア大会まであったので、冨田・水鳥の両選手は
世界選手権とアジア大会両方出ることとなっていて、相当キツかったと思います。もっとも中国は両大会ともまったく同じメンバーが出ていたわけで、彼らのスタミナはケタ違いというか驚異的というか・・
一方、女子を考えると、ピーク年齢が非常に若く、選手寿命も短いので四年ではとても期間が開き過ぎる、毎年でも丁度言いのかもしれないです。(一時期は、五輪翌年と五輪前年の二年間隔でしたが、これくらいが妥協点なのかもしれないです)
>少なくとも種目別に関しても、全種目(あん馬は、鹿島選手に期待)
>日本選手が出場してほしいというのはありますね。
種目別では、かなり競争が激しいので、それも厳しい要求になると思います。
今回は跳馬を除く、五種目で日本選手は決勝に進んでいますが。(メダルは水鳥選手が床と鉄棒で銅メダルを獲得しています)
現状では、種目別の金は、日本から一番遠いですし、メダルは運と調子次第というところでしょうか。
跳馬には五種類くらいの系統に分かれた跳び方のうち、種目別決勝に出ようと思うと、二種類の跳び方をしないといけせんので。団体や個人総合は一種類の跳躍で間に合うので、団体を優先するとまっさきに種目別跳馬は切り捨てざるを得ないのが現実です。今回優勝したのは、団体で五輪に出られないポーランドの選手でしたし。
種目別には団体で上位に出られない各国も力を入れて狙ってくるので、そうそうメダルが獲れる状態ではなくなっています。そんな中でも、結構日本の男子は頑張っていると思うのです。
長くなってしまってすいません。
投稿: つうこうにん | 2007/09/14 19:13
つうこうにんサン、さらなるコメントありがとうございました。
最近、プチ鬱状態でありまして、なかなかエントリーもできなければ、
コメントに返事をおかえしすることもできません。
申し訳ありません。
もちろん、現状の男子体操もがんばっているのは、
よ~くよ~く理解はしているんですよ。
でも、“体操日本”は、“柔道日本”と同じくらい、
高い目標をかかげて、チャレンジすべきだと思うの
ですよね。
目標を掲げないと、成績は現実化しない訳ですから。
やはり、団体“金”。
個人総合“複数メダル”。
種目別“メダル3”。
あたりは、目標としてほしいものですね。
(実際に、どうなるかは、そのときの状況ですから
別ですよ)
投稿: 六甲びと | 2007/09/24 21:28
>でも、“体操日本”は、“柔道日本”と同じくらい、
>。
>目標を掲げないと、成績は現実化しない訳ですから。
もちろんしてますが?
どうしてしていないとお思いになったのでしょう?
現実では悔しいけど、中国にはなかなか勝てないけど、
もちろん団体金は目標としてかかげてますとも!個人総合二つはキツいけど一つは取ろうとしていますよ!
日本の男子体操の志がそんなに低いわけないじゃないですか!
種目別三つ、その程度の目標は関係者ならとうに持ってますとも!今更、あなた様に云われるまでもなくね!
なぜ、高い理想をかかげていないって六甲びと様ほどの方が思われてるのか理解できませんね!
協会HPや体操関係のメディアの報道みれば、今年の世界選手権の目標「メダルがトータルで五個、金を一つは取りたい」って関係者がコメントしてたのをご存じない?
少しきつい書き方だったらすいません。
ヲタはこれくらいアツいんです。関係者も選手たちはおそらくもっと!
投稿: つうこうにん | 2007/09/25 09:44