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2007/11/17

浦和アジア王者の報道について、一言だけ苦言

浦和レッズのACLでの優勝は、たしかに日本サッカー界において、称えられるべき壮挙ではあるが、一部の報道にちょっと苦言を呈しておきたい。

テレビ局のニュースなどを中心に、「日本チームとしてアジア王者は初めて」「Jリーグ勢として初戴冠」と言うような表現があった。
⇒例えば、こちら

しかし、これはいかがなものか。

過去、ACLの前身であるアジアクラブチャンピオンシップ(ACC。日本では、“アジアクラブ選手権”という表現されることが多かった)において、日本から出場したチームでは、古河電工と讀賣クラブ、さらにJリーグ創設後も全盛期のジュビロが制覇し、アジア王者になっている。
さらに、当時は同格とみなされていた各国カップ王者(日本は天皇杯王者)が出場するアジアカップウィナーズカップ(これもACLに統合されている)でも、JFL時代の日産やJリーグ以降の横浜マリノス、ベルマーレ平塚、清水エスパルスが制覇し、アジアカップ王者になっている。

今回の浦和は、”現行システムのACLになってから初のチャンピオン”もしくは“CWCへの出場権を得たのが初めて”と表現されるべきであろう。

いや、ACLの困難さはACC時代とは別格やとおっしゃるのであれば、例えばUEFA・CLも92年のシステム変更後の優勝回数はチャンピオンズカップ時代の回数とは別にカウントしないといけませんよね(例えば04/05シーズンのリヴァプールは、5回目ではなく初戴冠になる)。

Jリーグ以降のサッカー界の発展を称揚するために、それ以前の(大日本蹴球協会発足以来)70年以上にわたる日本サッカー史のすべてを“暗黒時代”と表現するように、
今回の浦和の壮挙を称揚するために、ブンデスリーガより復帰した奥寺を中心とした古河電工や、ラモスや与那城ジョージ、加藤久、松木、戸塚、さらに入団したばかりの武田らの讀賣クラブの魅力的なサッカー、さらにベッチーニョや名塚、名良橋、岩本らで“湘南の暴れん坊”と呼ばれたベルマーレなどの前史を無視した表現をするのは、
サッカーファン、スポーツファンとしては、ちょっといただけない気持ちになるのです。

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コメント

テレビ局のニュースなどを中心に、「アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)において、日本チームとしてアジア王者は初めて」「アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)において、Jリーグ勢として初戴冠」と言うような表現はありましたね。またスポーツ番組、サッカー番組等ではジュビロがアジア王者になった際の映像(前史)も踏まえた報道は再三ありましたけどね。見てなかった?アジアカップウィナーズカップは別物でしょう。

>Jリーグ以降のサッカー界の発展を称揚するために、それ以前の(大日本蹴球協会発足以来)70年以上にわたる日本サッカー史のすべてを“暗黒時代”と表現するように、

>前史を無視した表現をするのは、

つい先日もNHKの人気番組で世界史・日本史に残る偉人達を紹介する「その時歴史は動いた」でデットマール・クラマー氏を、又以前にもベルリン五輪代表の栄光を放映されてるわけで、すべてを“暗黒時代”という表現は当てはまりませんね!
強いて言うならば、二宮氏監督就任時から川渕氏監督までを“暗黒時代”というべきだが。
いったいどこで【すべてを“暗黒時代”】などと言ってんだ!

投稿: レオネッサ | 2007/11/20 12:41

レオネッサさん、コメントのご記入に気づかずにお返事コメントがめちゃ遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。

レオネッサさんのおっしゃるとおり、たしかに正確な表現をしていた報道ももちろんありましたが、「煽り」のために、“日本初”を連発、声高に強調する報道が目立ったと私は感じています。
もちろん、すべての報道がそうだと言っているわけではないですよ。

>アジアカップウィナーズカップは別物でしょう。

いいえ。
ACLの出場チームは、アジア上位14カ国の国内リーグ戦及び国内カップ戦のそれぞれ優勝チームです。
日本からも、Jリーグのチャンピオンと天皇杯のチャンピオンが出場しています。
ですから、現在のACLは、ACC+ACWCだと言えると思います。
ですから、ACLの歴史を語る際には、ACWC王者についても、触れるべきだと思いますよ。

>いったいどこで【すべてを“暗黒時代”】などと言ってんだ!

レオネッサさんが、そう感じられるのであれば、それはサッカーファンとしてはお幸せだと思います。
どうも私は被害者意識が強いのか、一時期のJ大礼賛時の前史の語られ方、それから最近の新参ライターや新参ファンを中心とする過去へのレスペクトの無さが、強く気になるんですよ。


投稿: 六甲びと | 2007/11/24 23:46

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