“混乱”って、悪いことなんだろうか(1)
ちょっと個人的事情があって、最近、報道情報番組などをよく見るようになっています。
で、3月下旬あたりから(いや、もう、ずうっとなのかもしれません)耳について、どうも気になっているのが、テレビの報道情報番組やニュースをはじめ、新聞や雑誌等の報道で、批判的な文脈で“混乱”というもの言いを使う頻度が、非常に多いということ。
例えば、3月末のガソリン税(道路特定財源)の暫定税率期限切れにともなうGSでの店頭価格変動の件や北京五輪聖火リレー、さらに4月15日からの後期高齢者保険制度の導入にともなう年金からの保険料天引きの際などの報道です。
たしかに、これらの事例では、日本政府や北京五輪委=中国政府といった施策の主体や主催者の計画どおりにはならず初期の想定からズレがおこっており、あるいは現場での進行が滞ったり、衝突がおこったり、さらに利用者や関係者が困惑するといったような事態がおこっていたようです。
しかし、これらの事態を、まとめて“混乱”という言い方で批判するような報道の論調にはどうにも違和感を持ってしまうのです。
まず、ガソリン暫定税率切れの際なんですが、例えばあるニュースでは、福田首相のぶらさがり取材の際に、「GS店頭での混乱について、どうお考えですか?」と質問し、「そんなに混乱ありましたっけ?」と切り返されており、この福田首相の返答に対して、「国民が混乱しているのに理解していない」などといった批判を加えていたりしました。
この切り返しは首相・政治家として、たしかにセンスがないような気もしますが、しかし、実際にそんなに大きな混乱おこりましたっけ?
GS店頭で打ちこわしでもありましたか?
ガソリン暴動でもありましたか?
値下がりを期待して、3月末までギリギリしかガソリンを入れなくてガス欠した車を発見して、鬼の首でも取ったように伝えたりもしていましが、こんなん、ぼやですらないところに、無理やり見つけ出して、火事だ火事だと煽り立てているようなもんでなかったですかねぇ。
こちらは、実態としては別に“混乱”というほどでもない程度の状況を、報道が“混乱、混乱”と強調して表現し、批判しているひとつの事例だと思います。
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