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2009/01/27

神戸のサッカーについて、考えてみた

■昨シーズンのヴィッセル神戸
 サポーターとしても、一定の手応えのあったシーズン

<“浮き”沈みのあったシーズン>
昨シーズンのヴィッセル神戸をふりかえると、リーグ開幕時は、4試合2勝2分けとチーム史上屈指の好スタートでした。
途中、2度、6試合続けて勝ちきれない苦しい時期もありましたが、1-0での粘り強い3連勝や、シーズン終盤でのチーム史上初の5連勝を達成。
基本的には、シーズン最初から下位に沈みっぱなしのシーズンの多かったヴィッセル神戸としては、浮き沈みという表現が出来るような、“浮く”という時期を経験できた、初めてのシーズンだったと言っても良いのではなかったでしょうか。
しかし、やはり最後の最後で再び勝ち切れずに、目標だった5位以内に達せず、前シーズンと同じ勝ち点47、10位となってしまいました。
初の勝ち越しではあったが、11もの引き分け試合のうち、いくつかでも勝ちきっていればと、少し残念でもありました。

<一年を通して考えられたシーズン>
正直、ヴィッセルと言うチームは、ずっとカタチがありませんでした。
チームとしてのカタチができていない間に、負けが込んできて、降格のピンチになって、急遽その対応にバタバタと追われて、シーズン途中からツギハギの補強や対策に追われると言うことの繰り返しで、チームとしての成長、成熟をシーズン中に考えることなどできませんでした。
しかし、昨シーズンは、“浮く”という時期、つまり、チームとしてこのプレーをしておけば、良い試合ができる、負けない、勝てる、という自信を持つ時期がたしかにありました。
その結果、一シーズンを通じて、チームの構成やプレーの精度、個々の選手の成長などを考えるということができた一年だったと言えるでしょう。
チームとして、クラブとして、本当に良い経験だったと思います。

<昨シーズンのカタチ>
レアンドロや吉田、大久保らが、労を惜しまずに前線からプレッシャーをかけて、汗かき役の田中ヒデ、栗原や高めに位置したサイドバック、さらにはキム・ナミルが引っ掛けたボールを、素早く相手DFラインの裏へ送る、ショートカウンター。

もしくは、相手にロングボールやサイドからボールを入れられても、空中戦に強いCBが跳ね返し、キム・ナミルが、その球を確実にキープ。
そこからさばいたボールを裏のスペースでレアンドロがスピードで勝負し突破、あるいはキープ。すると、嗅覚としか言いようのないタイミングで大久保がスペースに飛び込んでくる。

こういうカタチが基本となっていたと思います。

キム・ナミルという大ゴマは新加入、レギュラー格だった茂木とパク・カンジョの怪我はありましたが、DFラインの内山、石櫃、北本、小林、松岡、栗原、ボッティ、大久保、レアンドロらのチームとして、ユニットとしてのプレーぶりは、前年からの成長、積み重ねが十二分に感じられるものでした。

しかし、松田監督の退団(正直、後味はよろしくない)。そして、前線を支えてくれ、攻撃の核であった、大久保、レアンドロの流出と、これまでの積み重ねが、そのままの方向性につなるのだろうか。

■ヴィッセル神戸、今シーズンに向けて
 意欲やよし、しかし足下をきっちりかためて

<補強に関しては、それなりの高い評価>
松田監督の後任の新監督には、小クラブで実績を上げたのちに、パルメイラスやフラメンゴといったビッグクラブの監督を経験した、カイオ・ジュニオール氏。
指導歴は長くないが、ブラジルでは、既にベテラン監督たち並の評価を受けている高い指導力の持ち主との評価も聞く
また、レアンドロ、大久保のFWの流出の後釜は、我那覇、マルセウ。
さらに、MFには、アラン・バイーアが加入した。

そして、なによりも、新体制発表会直前に、ツネ様こと宮本選手が、オーストリアから、電撃的な帰国・移籍。

サッカー界的には、神戸が、かなり本気になっている、という高い評価もあるようです。

<新シーズンのスタイルは?>
正直、新監督のカイオ・ジュニオールが、どんなサッカーを指向しているのかは、知らない、わかりません。
ブラジル人監督と言うことなので、一般的に考えると、CBとボランチの4枚で、しっかりと中央にブロックを築き、前4人+SBの攻め上がりで、ポゼッションを目指すということなのかなぁ、と想像しています。
ただ、カイオは、ブラジル人としては、かなり異端の理論派で、絶対なる個の力を基調とするブラジルとはやや異質の組織的なサッカーを好むという噂も聞こえてきています。
4バックにもこだわらず、3バックでリベロを置くシステムも使いこなしてきたとか・・・

さて、そうなると、現有戦力+今年の新戦力で、どうなるでしょうか

北本、河本、宮本の3バックに、ナミル+バイーア(松岡/田中ヒデ)のMFの底、両サイドに、ボッティ+FW2人(マルセウ、我那覇、吉田)という、3-5(4-1)-2なのか。

4バックの場合は、河本、宮本をCBで組ませて、J2でやっていたように、北本をサイドに出すのか、柳川を含んだ4人でCBをローテーション的に、回すのか。
その場合も、中盤から前を、ナミル底、右カンジョ(ヒデ)、左バイーア(松岡)、上にボッティといったダイアモンドもあり得るし、4-3-3で、中盤はナミル、バイーア、ボッティ、FWは真ん中がマルセウ/我那覇、左が古賀/ノリ、右がカンジョ/松橋/岸田なんてのもあり。
他にも、4-2-3-1でも、中盤フラットの4-4-2でも、3-4-3でも、考えうるような気もするので、楽しみではある。

キャンプで、ベストの組み合わせを、新監督、及び選手たち自身にも発見して欲しい。

ただ、絶対的な司令塔がいる訳ではなく、またフランサだったり遠藤だったりと言った圧倒的な個人技がある訳でもないので、神戸のチームとしての基盤は労を惜しまぬハードワーク、そして、ひたむきさということになるんだろうが。

■そして、Tasakiペルーレの休部
 神戸のサッカーファンとしては、惜別の涙以外ない

昨年の後半で最もShockなニュースの一つは、女子サッカーなでしこリーグの強豪、神戸を本拠とする田崎真珠、TasakiペルーレFCの休部でした。

地元神戸の企業ということもあり、田崎真珠の最近の経営の苦境は知っていたので、もしかしたらという予想はなかった訳ではありません。

しかし、現実になってみると、やはり、ショックは大きなものでした。
と言っても、応援歴はしょせん5年でしかない私自身にとって、ということではありません。

女子サッカーは、選手たちが背負っているモノの重さ、というか、今現在に賭けている気持ちの強さ、サッカーをプレーするってことへの覚悟が、見ている方に、ひしひしと伝わってきました。
Tasakiには、特にその気持ちが強かったような気がしていました。
ですから、正直、私個人としては、ヴィッセル神戸の個々の選手たちよりも、Tasakiの選手たちに対しての方が思い入れがありました。

だからこそ、Tasakiに所属する、池田選手、大谷選手、山本選手、佐野選手、中岡選手、下小鶴選手、阪口選手らといった女子サッカー選手たちが、安心してプレーすることができる環境が失われてしまうということに対して、彼女らの気持ちを想像すると、本当に辛いのです。
また、川上直子さん、新甫選手、柳田選手、土橋選手、鈴木智選手ら、他チームへ移籍していった思い入れのある選手たちにとっても、“ふるさと”とも言えるチームが無くなってしまうことについてもです。

もちろん、バブル崩壊以降、多くの企業が女子サッカーチームから撤退する中、決して大きな規模の企業ではない田崎真珠が、一時期、下部リーグにも降格していた時にも、ここまでチームを運営し続けてきてくれたことには、一サッカーファンとしては、感謝をいくらしても、しきれません。つまり、田崎の判断を“批判”はしようと思いません。

でも、やはり、「残念」ではあります。

これを機に(ということだと思います)現役引退をしてしまう、池田選手、大谷選手、佐野選手、下小鶴選手、本当にご苦労様でした。
そして、他のチームへの移籍を含めて、現役続行を考えていらっしゃる、他の選手の方々、正直、環境は厳しくなると思いますが、自分自身が満足するまで、心行くまで、サッカーをがんばってください!

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