« いよいよ開幕ですね | トップページ | いよいよJ開幕!リズムとテンポ:サッカー選手は、ミュージカルやプログレ、上原ひろみ、Prefumeを聴くべし!(その2) »

2009/03/07

いよいよJ開幕! リズムとテンポ:サッカー選手は、ミュージカルやプログレ、上原ひろみ、Prefumeを聴くべし!(その1)

■日本サッカーのリズム感が気になる

いよいよ今日からJリーグも開幕して、サッカーファンとしては、嬉しいp(^0^)v季節がやってきました。
個人的には、WBCなんかよりも、正直ワクワク感がちょっと違います。

さて、そんな日本のサッカーなのですが、日本代表、さらに応援しているヴィッセル神戸のサッカーを含めて、見ていて、やはり気になることのひとつを改めて考えてみたいと思います。
それは、プレー全体のリズム感についてです。

「日本のサッカーには、リズム感が感じられない」、特に「日本代表は、パス回しのリズムが悪い」などと、よく批判されます。
私も、同じように日本サッカーの全体的な傾向として、リズムが悪いと感じています。
しかし、私の言いたい「リズム」という言葉のイメージは、もしかしたら、他の方とは少し違うかもしれません。

■そもそもリズムとは?

まず、リズムというのは、音楽用語でありますから、めっちゃ基本にかえって、音楽におけるリズム及びそれに類する概念について、確認してみましょう。

まず、リズムに関係する、一番ベースとなる概念と言うか、基本単位は拍≒“ビート”だと思います。
ドラム等の打楽器やベースと言った低音系の楽器が、ドン・ドン・ドン・ドンでもズン・ズン・ズン・ズンでも良いですが、等しい間隔、一定のスピードで音が刻んでいく、その一音、一音という基本的な音要素の単位(正確には、ひとつの時間単位といった方が良いのかも)が、拍≒ビートです。

そして、この基本単位であるビートを、どんなスピードで打っていくのか、その速さをテンポといいます。
特に、一分間にどれだけビートを打てるのかが、BPM(Beats Per Minute)ということでして、メトロノームとかリズムマシンで設定することが可能です。

例えば、1秒に一拍ずつ、トン、トン、トン、トンと言うのと、1秒に二拍ずつ、ト、ト、ト、ト、ト、ト、ト、トと言うのではBPM=60とBPM=120で、後者がテンポが倍(に早い)ということになります。

で、一般的には、この一拍ずつが、まったく等価ではなく、その音量や音質で、重軽強弱が生じます。
そして、この重軽強弱が、一定の間隔で同パターンを繰り返すことがありますが、この繰り返しの最小単位がリズムパターン≒拍子と言えるのだと思います。

例えば、
ズン・チャッ・チャッのワルツは、強・弱・弱→強・弱・弱で3拍子となります。
また、もっともポピュラーはリズムと言って良い4拍子は、強・弱・中・弱→強・弱・中・弱とか、弱・強・弱・中→弱・強・弱・中など、いくつかのパターンがあります。

■サッカーでの「リズムの良さ」とは

さて、これをサッカーに当てはめて考えてみると、ボールのタッチやパスが拍、そのタッチ間のタイミングの早い遅いがテンポ、ボールの回りのタイミングの一定のパターンがリズムということになるでしょうか(ちょっと分かりにくいか)。

で、よく日本のサッカーの際の解説なんかで、「リズムが良い」「テンポある攻撃」という風にプラスの評価されるのは、音で言えば、ポン・ポン・ポン・ポンと、ある程度スピーディーな一定のタイミングでパスがつながるようなシーンであることが多いように感じます。

ラグビーなんかでも一緒で、FWや接点から出たボールが、バックスの間でポン・ポン・ポンと、等距離、一定スピードで回っていくと、「リズミカルなバックス攻撃」とか言われたりします。

もちろん、その際、ある程度のテンポの速さが必要とされているようで、サッカーでは、ポーーン・ポーーン・ポーーンと言う球回しの際には、リズムが良いとは言われないようです。

ただ、もちろん、各選手のボールタッチのタイミングは、パスの距離なんかも関係するので、パスの距離が長いい場合には、ポン・→・ポン・→・ポンという感じで、裏拍(弱拍)を打たないって感じかな。

まぁ、ここらへんは、言葉で厳密には書ききれないような気もしますが・・・(^^;)

さて、ここ最近(オシム監督、岡田監督とも)の日本代表合宿では、こういったパス回しのテンポアップ、スピードアップを、リズムの良さとして、重視したトレーニングを行っているという風に報道されることが多いです。
また監督の口からも、選手の口からも、そのような発言がなされ、実際、試合でも、そういったプレーを指向しているようにも見て取れます。(それが実現しているか、実を結んでいるかは別です)

■あくまでも、相手あってのリズム

しかし、一方では、日本代表の合宿で、練習相手として試合することの多い大学チームの監督や選手からは、「ワンパターン」とか「タメが無い」等の厳しい言葉が発せられることも多いように記憶しています。

またJリーグのチームのプレーも、単調だ、急ぎすぎる、などと評価されることも多い。
特に、Jリーグに移籍してきた大物外国人選手(ブラジル人選手が多い)、例えば、ジーコやドゥンガなどは、「日本人選手の欠点は、いつも同じリズムでプレーしようとすることだ」という発言をよくしていました。

その、原因は、日本のサッカー全般、岡田監督、さらに解説者やファンたちが、リズムやテンポを強調するあまり、日本の選手たちが、相手チームやディフェンダーのプレーや、シチュエーションに関係なく、自分たちのリズムやテンポでのボール回し、パス回し自体が自己目的化しているからではないのでしょうか。

ついついリズムやテンポと言うと、ボールを持っている側のことばかりを考えがちなのですが、実は、守備側にもリズムやテンポがある訳です。

これを、音楽での喩えで言うと、攻撃とディフェンスとのリズムの関係とは、攻撃が音楽をプレーする側、ディフェンスがその音楽を聴いて、ダンスをする側。

そして、演奏する側にとって、どんなに良いリズムだろうが、良いテンポだろうが、そのプレーされている音楽に、聴衆が気分良く乗ることできれば、聴衆側も良いリズムで
ダンスできる訳です。

例えば、アース・ウインド&ファイヤや、KC&ザ・サンシャインバンド、ビージーズなどの、70年代後半のソウル&ディスコサウンドは、リズムはベーシックで単純な4拍子、テンポも今の時代から見ると決して速過ぎないBPM(120前後ってことが多かったかと)で、聴いている方にとっては、非常に気分良く、楽に乗って踊れるのです。

これと同じで、一般的に言う、「リズムの良い」ボール回しやパス回しで、攻撃側、ボールを持ってる側がプレーしたとしても、それが、テンポが一定で、リズムも単純であれば、(先にも書いたように、日本で「良いリズム」と言われる時は、 割と、こういったパターンが多い)守備側としても、そのリズムやテンポに乗りやすく、気持ちよくプレーできて、あまり怖くない訳です。

|

« いよいよ開幕ですね | トップページ | いよいよJ開幕!リズムとテンポ:サッカー選手は、ミュージカルやプログレ、上原ひろみ、Prefumeを聴くべし!(その2) »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: いよいよJ開幕! リズムとテンポ:サッカー選手は、ミュージカルやプログレ、上原ひろみ、Prefumeを聴くべし!(その1):

« いよいよ開幕ですね | トップページ | いよいよJ開幕!リズムとテンポ:サッカー選手は、ミュージカルやプログレ、上原ひろみ、Prefumeを聴くべし!(その2) »