サッカー日本代表に、正直、絶望的な気分に苛まれながら… キリンチャレンジカップサッカー 日本代表対セルビア代表@長居スタジアム その2
さて、試合は見に行くことはできたけれども、先週がそのあとの日はちょっと忙しかったので、皆さんみたいに、試合直後にエントリーできませんでしたので、ゆっくりと振り返りながら、ようやく書いていきたいと思います。(その日の内に、きちんとした分析や批評など、まとまったエントリーをできる方々を尊敬してしまいます)
以下、VTRで振り返っても、ほとんど良いところを見つけられなかったために、かなりネガティブで不愉快な内容になっているかも知れませんが、それくらい、ひどい試合を、決して安くはないお金を払って観戦した者の愚痴ととって下さい。
さて、この試合を見て衝撃的だったのは、以前に紹介しました「世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス」という書籍で繰り返し指摘されていた同じ問題点が、もののみごとに繰り返されてしまっていたこと。
正直、あまりにも(逆の意味で)鮮やかすぎて、笑いが出てしまうほどであった。
そのミスとは、ミッドフィールドエリアで、ボールを失った際に、本来フィルターであるべきDFMが焦りすぎて、ボールホルダーに急いで突っかけすぎて、その裏のセンターサークル付近のCBの前に広大なスペースを与えることによって、決定的なピンチをつくりだしてしまうことが繰り返されること。
どうやら、現日本代表は、基本的にはディレイで良い場面ですら、頻繁に、DFM二人同時に突っかけてしまい、その際に、CBは連動してラインを上げることをしないので、DMFとCBの間に広大なスペースができてしまい、MFの突っかけをかわした相手(OMF)が、そのスペースにスピードを上げて走りこんでくると、CBは敵OMFと敵FWとを、2対2の同数(下手したら2-3の数的不利)の状況で、大きなスペースで、迎え撃たなければならないということになる。
しかも、ボール保持時に、両SBが、バランスをとることなく、同時に無闇に上がりすぎることによって、このカウンターを食らった時には、CBがほかのサポートを受けられない、裸の状態になっている(予防的ポジショニングができていない)ということも、その際に決定的ピンチにすぐつながる要因である。
さて、この試合の前半立ち上がり、縦パス一本で、CBの栗原、中澤が置き去りにされ、敵FWムルジャに抜けだされ、GK楢崎と1対1にされたシーンは、まさにその通り。
最終予選のホームでのウズベキスタン戦、ホームでのオーストラリア戦、アウェーでのウズベキスタン戦、ホームでのバーレーン戦、、さらに親善試合でのガーナ戦など、嫌になるほど繰り返し、本書内でイタリア人指導者に指摘されているミスである。
しかも、ほぼ同様のカタチで、わずか10分後に、同じ敵FWムルジャにまた両CBが置き去りにされ、実際に失点をしている。
つまり、こんな表だって出版された書籍(どっかの地下ブログで、鋭く指摘されていのであれば、それを知らなかったということはあるだろうが、ここまで堂々としたタイトルで出ている書籍をチェックしていないはずはないだろう)で指摘されている、日本代表のプレーの問題点ですら、この試合への準備
期間に、岡田監督は事前に指摘し、修正することもできなかった訳だ。
また、案の定、実際に試合中、それも試合開始直後に起こってしまい、その問題点が改めて露呈したにもかかわらず、再び放置し、修正できなかったということだ。
それを裏づけるのは、栗原の試合後のコメントである。
ボールの取られ方が悪かった。中盤でフリーで持たれて、その一瞬のすきでFWが裏に出てきて、簡単に抜かれてしまった。(横浜FMとのラインコントロールの違い)サイドバックとの距離とか、ラインもぜんぜん違っていたから、いつものように強くいけなかった。それは自分のせいなんですが、もっとコミュニケーションを取ってやれれば、問題なかったとは思う。
一方、岡田監督の試合後のコメントは、
選手のポジショニングが非常に悪かったと。いるだけで、相手をつかんでいなかったということがあったと思います。
もうあきれ果ててものが言えない。
日本代表に選んだからには、監督・コーチ陣は、日本代表のチームとしてのやり方を、特にディフェンス面のポジショニングのような、もっとも基本的なチームの約束ごとなどは、きちんと伝えるべきだろう。
そして、もちろん、短い準備期間、練習時間という制約はあるが、これだけ繰り返し起こっている決定的なピンチのシーンならば、そのシーンを抽出し、徹底して認識させ、体感させるだけのトレーニングを、監督・コーチ陣は準備すべきだろう。
それを、選手に、自分自身のコミュニケーション不足、ミスのせいと言わせてしまっているのだ。
これでは、明らかに、選手がスケープゴートではないか。
現実は、DMFが遠藤、長谷部、阿部、橋本、稲本、今野らのどの組み合わせであろうが、そしてCBは、ほぼ闘莉王、中澤のコンビだが、今回の栗原にかわったとしても、結局、同じ守備のミスが起こっている、ということは、これは、選手個々の問題ではなく、今の岡田監督以下の日本代表チームに来れば、どんな選手も、こんなプレーをしてしまう、つまり、監督・コーチ陣に原因が求められるということだ。
さらに呆れるのは、
そのあと稲本をアンカーに置いて、少しディフェンスは安定したんですが、
後半に入ってディフェンスも安定して、サイドにも起点ができるようになって点が取れそうなチャンスも作れたのですが、
と、途中から、4-1-4-1にフォーメーションを変え、稲本をアンカーに置いたことによって、守備が安定した、内容が改善した、ということを言っているのだが、誰がどう見ても、2-0になって、セルビアが、安全運転のプレーをし始めたから、相対的に、そう見えただけで、ここぞという時の攻撃を受けた際のあわてぶりは、結局、最後まで変わっていなかったではないか。
実際、FKを与えた際のバタバタぶりは、前半の頭と同じだ。
もう、自チームのプレー分析・評価も、まともにできていないのではないだろうか…。
地球を3分の一周してきて、決してコンディションも良い訳でもなく、また、従来の代表ではないということで、コンバインドチームとしての準備が、おそらく2日くらいで、しかもそれを指揮したのが本監督ではないという、セルビアが、好感の持てる好チームになっていたのと、あまりにも対照的であった。
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