アラブ・エクスプレス展@森美術館
日本でも屈指の
モダンアートのキュレーター
アートプロデューサーである
南條館長のもと、
刺激的な展覧会を提供し続けている
六本木ヒルズ最上階に位置する
森美術館。
中国のモダンアートを
かなり網羅的に紹介する
展覧会なんかもありましたが
今回は
イスラム圏アラブエリアの
モダンアートがテーマ。
アラブ、イスラムと言っても
日本人が一般的にイメージする
砂漠に駱駝に油田にと言う
画一的なものとはかなり異なる
多様な社会状況や事前環境、
文化歴史があるため、
さすがに北アフリカから
中央アジアや南アジアに至る
全エリアではなく
アラビア半島周辺に
絞っての紹介となっています。
このエリアは
カタールやアブダビなど
オイルマネーを生かした
超近代都市化による経済活動により生まれた
イスラムの宗教的伝統との間の矛盾や
貧富の格差、世代間の断絶。
西洋キリスト教圏やイスラエルとの
紛争によるリアルな戦闘の傷痕など、
様々なモダンアートのテーマとなる
社会的状況があるため
いま
非常に注目を集めているそうだす。
正直、
欧米や日本のものに比べて
洗練はされていない感じではありますが、
プリミティブな表現の意思のパワーは
感じ取れたような気がします。
さらに
この展覧会が素晴らしいのは
クリエイティブ・コモンズという概念のもと
作品の撮影が可能なこと。
本来
アートとは
そのコンセプトやメッセージを
届ける射程距離を広くとる
公共性が大切だったはず。
それを、最近では
制作者や所有者の権利を保護するあまり
クローズにしがちでした。
クリエイティブ・コモンズとは
その現代ビジネス的な慣習に対する
カウンターの意思として
提示されたコンセプト。
今後
多くの創作物が
コモンズの思想に共鳴することを
期待します。
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